この記事では「博士の愛した数式(著者:小川洋子)」で読書感想文を書く時のポイントを紹介しています。
また、一緒に「博士の愛した数式の読書感想文例文(中学生・高校生向け)」も紹介していますので、参考にしてくださいね。
「博士の愛した数式」は全体的に穏やかで優しさがあふれている物語ですよ
博士の愛した数式の登場人物
私:シングルマザーの家政婦。博士の元でお世話をする。
博士:元数学者で、数学と子ども、阪神タイガースが好き。脳の障害により記憶が80分しかもたない。
ルート:私の息子。後に数学者を目指すようになる。
未亡人:博士の兄の妻。交通事故で足が悪い。
博士の愛した数式のあらすじ(簡単な話の内容)
家政婦の「私」は、交通事故による脳の損傷で記憶が80分しか持たなくなってしまった元数学者「博士」の家に派遣されることになる。
数学以外に全く興味を示さない博士に最初は戸惑いを見せる私だが、博士は私の10歳になる息子には優しく接し家に連れてくるように言ってくれる。
博士は息子の平たい頭から、彼を「ルート」と名付け、3人の温かく穏やかな毎日がスタートする。
記憶障害による様々なトラブルを乗り越えつつ、まるで本当の家族であるかのように絆を深め合っていく3人。
だが、やがて博士の記憶障害は進行してしまう。
結局施設に入ることとなったが、私とルートはその後も施設に通い続け…
「博士の愛した数式」は2006年に映画も公開されています。本が苦手な人はDVDを借りてみるのも良いですね。
本のテーマ(主題)
・家族の愛情
・病気
・障害、ハンディキャップ
・生と死
読書感想文の書き方やコツ
・作品全体の穏やかな雰囲気を大事にしながら自分の感じたことを書く
・80分しか記憶が持たないということに着目して、自分が博士だったらどうか、自分が私の立場だったらどうかなど登場人物の気持ちになって書いてみる
読書感想文例文(中学生向け2000文字以内)
題名(タイトル):互いを思いやることの大切さ
この話を読んで衝撃的だったのは、博士の記憶が80分しか持たないということです。記憶は日常生活の中で大切なものだし、記憶があるからこそ大事な人との思い出を振り返ったり、次の約束を忘れないようにしたりすることができます。
でも、博士にはそれができません。たとえ誰かと会う約束をしていたとしても、80分後にはその約束……いえ、約束した人と会ったこと自体を忘れてしまうのです。それはとても悲しいことですし、私だったら耐えられないと思います。それなのに、作品全体から出てくる穏やかな雰囲気はどうしてなのだろうと思いました。
家政婦の私は、やはり博士の言動や行動に最初は戸惑ってしまいます。私が同じ立場だったとしても、同じく戸惑っていただろうと思います。まるで腫れ物に触るように博士のお世話をしていたかもしれません。
でも、博士の人柄に私は救われていったのだと思いました。それは、子どもを好きという人柄です。記憶が長くもたなくても、その人の人柄や好みは変わらずそこにあり続ける。そんな事実に、家政婦の私は救われたのだと思いました。
博士が私の息子を「ルート」と名付けたときは面白かったです。なんでルートなんだろう、と思ったら、頭の形からそう呼んでいるのだそうです。きっと博士にとったら「ルート」はごく身近なものなんだと思います。数学好きな博士だからこそ、親しみを込めてそう呼んでいるのだろうと思いました。
3人の生活は、まさにお互いへの思いやりで成り立っていたように感じます。例え博士が自分たちのことを忘れてしまっても、思いやりの気持ちを持ち続ければ穏やかな生活は可能なのです。
忘れてはいけないのは、過去の体験や次の約束ではなく、相手を思いやる気持ちなのだと気づきました。そしてそれは、博士が記憶障害になったからといって失われてしまうものではなく、博士という人間が無くすことなく永遠に持ち続けるものなのだと思います。
この3人の関係は、家族と一言では言い表せないような特別なものだったのではないでしょうか。ふと自分を振り返ってみると、家族とこういった関係になれているだろうかと思いました。
中学生になって、友達や部活動での活動が増えてきて、最近私は両親とあまり話していないことに気付きました。父や母が何か言ってきても、上の空で聞いていたこともあったように思います。仕事が忙しい父に関しては会える時間そのものが少なくなっています。
だから、一度両親とゆっくり話す時間を作れたらと思いました。特別なことを話さなくても、最近好きなもののこととか、面白かったこと、悲しかったこと、そういった何気ないことを話せばいいんだと思えるようになりました。そういった空間にこそ、私と博士とルートが過ごしたような穏やかな空間が出来上がるのだろうと思ったからです。
博士はやがて、記憶障害が進行して施設に入ってしまいますが、それでも私とルートは博士に会いにいきます。親しくしていた人が弱っていく姿を見るというのは本当に辛いことだと思いますが、そこから逃げなかった2人は本当に強いと感じました。
自分たちのことだけを考えているのではなく、本当に博士に対する深い愛があったからこそ2人は博士のいる施設に通い続けられたのだと思います。そして、相手が弱っているとき、それを見ている自分が辛いからそこから逃げてしまうということは後悔しか生み出さないのかもしれないと思いました。
私もこれから先、何か辛いことがあったときでも、自分が見ているのが辛いから避けようとか逃げ出そうとかしないでおこうと決めました。そうやって向き合うことで今までの絆の深さを実感することができるし、自分自身に真っすぐ向き合って生きていくことができると思うのです。
3人の穏やかで温かい生活の物語は、たくさんの気づきを与えてくれました。互いを思いやることの大切さを身につけていくことは、人生に喜びや温かさを与えてくれるものです。
私はこれからも、友達や家族、周りの人たちに対する思いやりの気持ちだけは絶対に失わないようにしたいです。そして、穏やかな空間を大切にしながら生きていけたらと思いました。
この感想文のように家族との関係を見直して、そのことを書いてみるのも良いですね。
*コピペ、無断転載、丸写し、パクリはダメですよ。参考にするだけにしましょう。
博士の愛した数式の読書感想文まとめ
いかがだったでしょうか?
博士の愛した数式は「もしも博士のように記憶が80分しかもたなかったら」を考えて書くと書きやすいですよ。
もしくは、「家族との関係のあり方」を見直して書いてみるのもオススメですよ。
頑張ってくださいね。
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コメント
中学2年男子です。とても分かりやすかったです。参考にさせていただきました。ありがとうございます。