夏休みの宿題の中で終わらせるのが大変な課題の1つといえば「読書感想文」ですよね。
で、読書感想文の困りごとといえば「本の内容が難しくて読むのが大変」、「読んだとしてもどんな感想を書けばいいのかわからない」ということではないでしょうか?
本好きな人ならまだいいのですが、普段本を読まない生徒だとなおさら、読書感想文に苦手意識がいくもの。
この記事ではそんな人のために「中学生が読書感想文を書きやすい、読みやすい本」を厳選して紹介しています。
また、同時に「読書感想文を書く時のポイント」もまとめていますので、これらのポイントを抑えて感想文を早く終わらせてしまいましょう!
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読書感想文の本を選ぶ時のポイント
普段から興味があるテーマの本を選ぶ
まず、読書感想文の本を選ぶ時のポイントですが「自分が興味のある分野の本を選ぶ」のが一番です。
例えば本によって以下のように様々なテーマがありますよね。
- 友情、青春
- いじめ、少数派
- 家族の絆、動物
- 部活、スポーツ
- 命の大切さ
- 戦争、平和
- 夢、目標
こういったテーマの中で「どのテーマが一番自分が書きやすいか」を考えてみましょう。
自分と共通点が多い本を選ぶ
もし「どのテーマに興味があるかわからない」という場合は、「自分も部活に入っている」とか「自分も動物を飼っている」とか「自分も受験中だ」とか「自分と共通点があるテーマ」を選ぶと良いですよ。
共通点が多ければ多いほど、主人公に感情移入しやいもの。
そして、感情移入しやすいということは「もし自分が主人公だったら…」を想像しやすいので、自然と感想も出てきやすいです。
たとえば「家族の絆」を選んだら
- 家族(父親や母親、兄弟姉妹、祖父母、ペット等)のことをどう思うか?
- 家族に助けられたことはあるか?
- 家族との楽しいor嫌なエピソードはあるか?
- 家族とケンカしたことはあるか?
- どうやって仲直りしたのか?
などを思い出し、「その時自分はどう行動し、どう感じたのか」を素直に書きましょう。過去のエピソードを詳しく書けばかなりの文字数を書くことができますし、それだけで「オリジナルな感想文」を書くことができますよ。
そして最後に「今後、家族とどのような関係でいたいのか」「家族のためにしたこと」「家族の大切さ」なんかを書けばOK。かなり高評価な感想を期待できます。
どうでしょうか?感想文って簡単でしょ?
そうなるとわざわざお手本なんかを調べなくても、スラスラと感想を書けちゃいますよ♪
中学生が読書感想文を書きやすい本
それでは今から「中学生が読書感想文を書きやすいおすすめの本」を紹介していきますね。
一緒に「簡単なあらすじや内容、本のテーマ、読書感想文を書く時のポイント」も書いていますので、「自分が興味を持てるテーマのもの」を選ぶと良いですね。
西の魔女が死んだ(著者:梨木香歩)/いじめ、青春、家族の愛情
主人公のまいは、イギリス人と日本人のクウォーター。
中学で不登校となってしまったまいと、そんなまいを励まし勇気付けてくれた「西の魔女ことおばあちゃん」の思い出を綴るお話。
おばあちゃんが死んだと聞いたまいは、おばあちゃんとの思い出がつまった祖母の家を訪れるのですが…
数々の賞を受賞し、2008年には実写映画化までされ話題となった作品です。
いじめ、祖父母、愛情等…読書感想文を書いやすいテーマが盛り込まれており、色々な視点から感想を書くことができますよ。
感想文を書く時のポイント
・「不登校になったことがある、いじめを受けたことがある、学校に行きたくないと思ったことがある」そんな経験があるなら、「不登校になったまいの気持ち」や「そんなまいを励ましてくれたおばあちゃんのセリフ」などに着目すると書きやすいです。
・「祖父母が好き、祖父母と遊んだ経験がある」という場合、過去の祖父母との思い出と「まいとおばあちゃんとの関係」とを重ね合わせて書くと良いですね。
・まいはクウォーターという特徴がありました。周りと違う少数派は排除されやすい・・・それはなぜか?そんな視点から書いてみるのも面白いです。
永遠の0(著者:百田尚樹)/戦争、平和、命の大切さ
自分の実祖父が「特攻で戦死した宮部久蔵」と知り、宮部について調べる主人公の佐伯健太郎。
生前の宮部を知っている人に話を聞くと「何よりも命を惜しむ臆病者だった」と蔑む者と、「生きることを教わった」と感謝する者がいて…。
2013年に映画化されて大ヒットした小説。戦争・平和系の読書感想文にもってこいです。
「戦争が起こす残酷さ、悲しさ」はもちろんのこと、「生きることにこだわった宮部の信念」、「生にこだわっていた宮部がなぜ特攻したのか」等に着目すると感想文を書きやすいですよ。
読書感想文を書く時のポイント
・戦争時代に生きた同年代の若者がどのような生活を送っていたのか。彼らはどんな気持ちで過ごしていたのか。自分だったらどうしたか?
・誰かを想う尊さに着目し「自分以上に大切な存在はいるか?それは誰か?」を書くのも良い
・なぜ宮部は生きることにこだわったのか、自分が宮部だったらどうするか?
・また、現在行われているテロや内戦等について絡めて書くのもオススメ
ビリギャル(著者:坪田信貴)/受験、勉強、青春、夢
学年で一番勉強ができないギャル。そんなギャルが塾講師である坪田と出会ったことでたった1年で偏差値を40も爆上げし、慶應大学に現役合格する。
一体、坪田はどんな魔法を使ってビリギャルの偏差値を上げたのか?事実に基づくノンフィクション。
受験勉強の話なので、中学生でしたら共感しやすい部分が多く、読書感想文も書きやすいです。
また、勉強だけではなく「夢がある人」にもオススメ。坪田先生の言葉が心に響きますよ♪
それから、ビリギャルは映画化もされています。
「本を読むのが苦手」という場合、先にDVD等を借りて見てみるのも良いですね。
読書感想文を書く時のポイント
・坪田先生のセリフの中で心に刺さったのは?そのセリフを聞いてどう思った?また、そのセリフには坪田先生のどんな気持ちが込められている?
・自分にはどんな夢や目標がある?その目標を叶えるために頑張っていることは?どうすれば夢が叶うと思う?
・自分の意志を貫くことの大切さについて考える
のび太という生き方(著者:横山泰行)/自己啓発
日本人なら誰もが知っている「ドラえもん」。その中の「のび太の生き方」に着目した小説です。
ジャイアンやスネ夫にいじめられ、すぐにドラえもんの道具を頼ってばかりいるのび太ですが、実はその生き方は「現代の日本人が見習うべき点」があるのです。
この本を読んで「のび太の印象が変わった」という人も多いのでは?
また、本の内容に納得する人と納得できない人の二手に別れると思いますが、どちらにしろ「この本を読んで○○だと思った。その理由は…」と書くと書きやすいです。
読書感想文を書く時のポイント
・ダメダメなのび太の生き方を横山氏がオススメする理由は?
・のび太の生き方でスゴイところやマネしたいところはどこ?
・この本に共感できた?できなかった?それはなぜ?
・「もし自分がドラえもんの登場人物だったら誰になりたいか」という視点で書いても面白いですね。
人魚の眠る家(著者:東野圭吾)/命、臓器提供、脳死、家族
プールで溺れて脳死になった瑞穂。始めは娘の臓器を提供をするつもりだった両親だが、瑞穂の手がかすかに動くのを目撃した母親は臓器提供を取りやめる。その後、瑞穂に手術を受けさせ、脳死した状態にも関わらず手足を動かせるようになっていく…。
個人的に大好きな作家「東野圭吾」さんが書いた小説で、2018年には映画化までされています。
脳死、臓器提供に伴う価値観、葛藤を書いた作品。
また、人それぞれ立場によって「信じている価値観、感じ方が異なる」という点も面白いですよ。
読書感想文を書く時のポイント
・脳死についてどう思う?どこからが「人間の死」なのか?
・自分が死んだ後に臓器提供はする?もし大切な人が死んだとしたら、その人の臓器は提供する?それともしない?その理由は?
・小説を誰の立場で読むかで印象が変わります。母親、父親、本人、弟…「一番共感できた人は誰か、なぜそう思うのか?」等をまとめるのも良いですね。
バッテリー(著者:あさのあつこ)/友情、青春、部活、野球、スポーツ
類を見ないピッチャーの才能と、傲慢とも言えるほどの自信を持つ原田巧。その巧とバッテリーを組むことになる永倉豪。バッテーリーとして数々の困難を乗り越えていく2人の成長を描く物語。
児童書とは思えない面白さです。むしろ、大人の方がハマります(笑)
ちなみに野球の話ですが、野球についてほとんど知らない私が読んでも最後までサクサク読めましたよ。
また、バッテリーはアニメ化もされています。「本を読むのが苦手」という人はアニメから入るのも良いですね。
読書感想文を書く時のポイント
・巧の性格をどう思うか?巧の良い点、悪い点を考えて書く
・豪の性格をどう思うか?豪の良い点、悪い点を考えて書く
・自分の仲の良い友だちは誰か?その人とのエピソードを交えて書く
・野球に限らず部活に入っている人なら、「チームワークの大切さ」を元にして感想文を書いてみてもいいですね。
スマホを落としただけなのに(著者:志駕晃)/ミステリー、推理小説
恋人がスマホを落としただけなのに、連続殺人犯に狙われることになった稲葉麻美。幼少の頃にネグレクトを受け、連続殺人犯になった謎の男。連続殺人犯を追刑事の毒島徹。3人の物語は次第に「恐怖に満ちた恐ろしい惨劇」に進んでいく…。
3人の視点で物語が進んでいくミステリーです。最後までドキドキハラハラしながら読むことができますので、「本嫌いな子供」にもオススメ。
「読書感想文向けにミステリーってどうなの?」と思われるかもですが、この物語の鍵となるのは「スマホを使った犯罪」でもあります。
スマホやSNSの危険性に絡めて書けば、立派な感想文が書けますよ♪
読書感想文を書く時のポイント
・スマホは持っているか、持っていないか?持っているなら、どんな危険性があるか?持っていないなら、持つときに気をつけたいことは何か?
・SNSの怖さは?実際にSNSで体験したトラブル、ヒヤッとしたこと等があれば一緒に書くと良い
・もし自分がトラブルにあったらどう対処するか、周りに相談できる人はいるか?
世界から猫が消えたなら(川村元気)/恋愛、命、ファンタジー、動物
脳腫瘍で余命わずかと宣告された主人公。そんな主人公の元に悪魔が現れて「世界からなにか1つものを消すと、余命が一日伸びる」と告げる。自分が生きるためにものを消すことを選択した主人公だが…。
最初から最後まで一気に読めてしまう小説。
途中から涙が止まらなくなる&なのに最後は温かで幸せな気持ちになれます。
「自分が主人公だったら…」と考えると、それぞれ異なる答えが出てくるはずですので、いくらでも感想文が書けますよ。
読書感想文を書く時のポイント
・自分が主人公だったら生きるために何を消すか、何を消したくないか?
・自分の命より大切なものは何か?その理由は?
・「もの」に関する自分の思い出、大切な人とのエピソード等を交えながら書いていくとオリジナルで高評価な感想文になりやすいですよ。
博士の愛した数式(小川洋子)/家族、命、障害、病気、絆
交通事故で記憶が80分しか持たなくなってしまった「博士」。博士の家に派遣された家政婦である「私」。私の10歳の息子である「ルート」。記憶障害から起こる数々のトラブルを乗り越えて家族のような絆で結ばれていく…。
柔らかな文章で描かれるとても幸せで、そして同時にとても悲しい話です。
こちらの作品も「自分が博士だったら」「自分が私だったら」という視点で読むと、読書感想文が書きやすいと思います。
読書感想文を書く時のポイント
・自分の記憶が80分しか持たなかったらどうするか?博士の気持ちに着目して書く。
・自分の大切な人が80分しか記憶が持たなかったらどうするか?私の気持ちに着目して書く。
・また、文章全体の柔らかな雰囲気を大事にして、自分が感じたことを素直に書いてもいいです。
走れメロス(太宰治)/友情、信じる心、諦めない心
言わずと知れた太宰治の作品です。あらすじを紹介する必要はないでしょう(笑)
文体が古いので多少読みにくい箇所もありますが、テーマ自体は簡単なので感想文も書きやすいですよ。
また、教科書で読んだことがある人も多いでしょうから、「学校で勉強したことに加えて感想を書く」とさらに書きやすいと思います。
読書感想文を書く時のポイント
・友達を疑ってしまったこと、ケンカしたこと等があれば、そういった経験を元に書く
・人を信じることの大切さに着目する
・友達や家族、先生から疑われて嫌な思いをしたこと、逆に信じてもらって嬉しかったこと等のエピソードを交えながら書くとオリジナルな感想文が書けます
中学生の読書感想文におすすめの本まとめ
いかがだったでしょうか?
読書感想文の書きやすさは「選んだ本」で変わると言っても過言ではありません。
ぜひこの記事を参考に「自分が読みやすい本・感想を書いやすい本」を選んでくださいね。
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