この記事では「空飛ぶタイヤ(著者:池井戸潤)」で読書感想文を書く時のポイントを紹介しています。
また、一緒に「空飛ぶタイヤの読書感想文例文(中学生・高校生向け)」も紹介していますので、参考にしてくださいね。
「倍返しだ!のセリフを世に生み出した(?)池井戸潤さんが最初に書いた社会派小説。読み応えありな作品ですよ。
空飛ぶタイヤの登場人物
赤松 徳郎:赤松運送の二代目社長。自社のトラックがタイヤ脱落事故を起こして死傷者を出す事態となり、整備不良の汚名を着せられる。
柚木 雅史:被害者の夫。
柚木 妙子:被害者。
沢田 悠太:ホープ自動車 販売部カスタマー戦略課長。
狩野 威:ホープ自動車 常務取締役。
空飛ぶタイヤのあらすじ(簡単な話の内容)
父親の後を継ぎ運送会社を経営する赤松徳郎は、ある日、自社のトラックがタイヤ脱落事故を起こし、死傷者を出してしまったことを知る。
事故原因を一方的に整備不良とされ、「容疑者」と決め付けられた赤松は、警察からの執拗な追及を受ける。
さらには、会社も信用を失い、倒産寸前の状態に追い込まれてしまう。
しかし赤松は、事故原因は整備不良ではなく、事故を起こした車両自体に欠陥があったのではないかと確信を抱く。
自社の無実を信じる赤松は家族や社員たちのために、トラックの販売元である、巨大企業の自動車会社に潜む深い闇に迫っていく。
中小企業VS巨大企業の白熱バトル!
だれかの人生を背負った者が巻き起こす闘いの先に見える、社長の意義とは?
空飛ぶタイヤは映画化もされています。 実際に死傷者が出た悲しい事故を元にして作られているので、色々と考えさせられますよ。
本のテーマ(主題・キーワード)
・仕事
・コンプライアンス
・正義
・事故
読書感想文の書き方やコツ
会社という組織の中でも、最重要のポジションである社長をメインに物語は展開するので、理想的な社長とは何かと、中学生ながら少し踏み込んだ内容のものにする。
また、企業という社会人のほとんどが所属する組織についても、どういう意味かをじっくり考えて書く。
その他、「コンプライアンスを守ることの大切さ」「正義はなにか」などを考えて書くと良いですね。
部活などに絡めて書くと書きやすいと思います。
読書感想文例文(中学生向け2000文字以内)
題名(タイトル):今の日本人の働きかた
社長とはいったいどのような職業なのか、この本を読むまで私にはわからなかった。会社という組織のトップとして、下の人間が働いているのをまんざらでもない表情で観察することが趣味なのだろうかと、勝手に勘ぐっていた。ところが、真実は全く違った。
中小企業・赤松運送の社長である赤松徳郎が、自分の無罪を晴らそうとして、超巨大企業である自動車製造会社にまっすぐな目で闘いを挑んでいた。しかもそれは仕事面だけの話で、家に帰れば父親として夫として、家族を守らなければならなかった。自分の会社が起こした不祥事のせいで、雫が落ちて発生する波のように、彼の周りや大切な人がたくさん傷ついていく。ここで私は確信した。「何気ない普通の日常は、突然起きた不祥事を守るためにある」のだと。
自社が管理するトラックが死傷者事故を起こした。新聞やテレビなどで大きく取り上げられたことも影響し、愚痴を言いながらもどこか穏やかだった日々が、まるでドミノ倒しのように崩壊していく。社長である赤松は、自社に殺到するクレームや問い合わせの対応に追われ、神経をすり減らし疲労困憊の状態が長く続いた。ここで私は、ある考えにたどり着いた。
「働く」。この言葉の裏の意味は、仕事に対して責任を持つことなのではないかと。
企業には、形の大小に関係なく、勝手に人間が作り上げた上下関係が必ずある。今まで世間が作ったレールを走りマニュアル人間だった私には、未知の領域だ。会社に所属するとなると、また別の人付き合いが始まる。学生時代とは全く違う環境下で、同僚、先輩、上司、顧客など、社会的に付き合わなければならない人間の種類が爆発的に増える。
街中に出まわる求人雑誌には、仕事時間は朝の9時から夕方の17時までと書いてあるが、それはまるっきり嘘である。実際は、始業時間の30分前には出社し、事前会議や朝礼などで集まり、定時が来てもやり残したことがあれば、夜遅くまで会議や残業をする。残業手当がつくならまだいいが、そういった手当もつかずただのサービス残業として自分の時間を消耗するのだ。
また問題が起きれば、上の人間に下げたくもない頭を下げ、謝罪をする。同じくクレームがきたら、たとえ自分が悪くなくても頭を下げ「申し訳ありませんでした」と謝罪する。営業職や平社員の方たちには馴染みのある話だろうが、私はそんなことはしたくない。人の下で働くのは、性に合わないと今のところ感じてはいる。
だがこれが、世間が作り上げた働き方なのである。あれも嫌これも嫌では何も始まらないとはわかっているのだが、枠にはめられることだけは徹底的に省きたい性格なのだ。これから私は、レールがあるようでない世界に飛び込んでいくことになる。期限を決めてやろうと考えているが、やはり常識には反発してしまう。
いまや週5日も缶詰め状態で拘束されなくても、パソコン1台あれば会社を運営したり、ブログやアフィリエイト、ユーチューブなどの広告収入を得ることができたり、更には自分の都合が良い時間帯やスキマ時間だけで、働くことができる時代になっている。会社員、経営者、テレワーク、自営業など、デスクワークに縛られなくても収入が得られる職業がごまんとある。
その中で、自分の持つスキルとエネルギーを完全燃焼できる環境を、できるだけ早く見つけることが最優先事項だろう。苦労してせっかく就職しても、3年未満で離職する新入社員の割合が30%もいるのだ。ミスを指摘されて怒られたり、パワハラまがいのことを1度でもされたら、免疫がないのかすぐに心が折れてしまうらしい。
そんな人材が一向に減らない為、オリエンテーションや研修の充実化を図る会社が、有名企業であればあるほど多くなっている。日本を飛び出し海外でいうと、フランスの別名は「働かない国」と呼ばれ、国民性も日本人ほど形にはまっていないと聞く。
働くとは何なのか。まだ社会人ではない私にはわからないクエスチョンだ。でも、それは会社という組織に所属してはじめて、ひとつのこたえが見つかるのではないか。自分に合った働き方をすぐに見つけられること。わたしはこの本から深く考えさせられた。
こんな風に「働くこと」を考えて感想文を書いてみてもいいですね。
*パクリ、丸写し、無断転載、コピペはダメですよ。自分で考えましょうね。
空飛ぶタイヤの読書感想文まとめ
いかがだったでしょうか?
空飛ぶタイヤは「実際に起こった悲しい事故」を元に書かれた作品。
働き方やコンプライアンス、正義について考えると書きやすいですよ。
頑張ってくださいね。
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