この記事では「ハッピーバースデー(著者:青木和雄)」で読書感想文を書く時のポイントを紹介しています。
また、一緒に「ハッピーバースデーの読書感想文例文(中学生・高校生向け)」も紹介していますので、参考にしてくださいね。
ちなみに、中学生向けで書いていますが、小学校高学年にもオススメな本ですよ。
子供はもちろんですが、大人にも読んでほしい本です。特に「親とあまり良い思い出がない」という大人の方、ぜひ一度読んでみてください。
ハッピーバースデーの登場人物
藤原 あすか:主人公。小学校5年生で、母親から精神的虐待を受け続けている。声が出なくなり祖父母の元で療養することとなる。
藤原 静代:あすかの母。兄を可愛がりあすかに冷たく当たる。幼い頃には、姉が病気がちであったため両親の愛情を受けられなかったというトラウマがある。
藤原 直人:あすかの兄で中学生。頭が良く進学校に通っている。あすかに暴言を吐くが、後に反省し妹を救うために動き出すようになる。
藤原 裕治:あすかの父。単身赴任中で学力主義者。マザコンな一面もある。
堀:あすかの母方の祖父。元高校の国語教師。あすかを優しく迎え入れる。
正子:あすかの母方の祖父。静代と妹を平等に扱えず育ててしまったことを後悔している。
ハッピーバースデーのあらすじ(簡単な話の内容)
主人公のあすかは、母親である静代から精神的虐待を受け続けていた。
それでも尚愛されることを望んだあすか。
だが、11歳の誕生日を迎えるときに兄の直人から酷い言葉を言われ、その後母からもショックなことを言われてしまう。
これが大きな引き金となって、あすかは声を出すことができなくなってしまう。
「生まれてこない方がよかった。」と自分を追い詰め続けるあすかだったが、母方の祖父母の元で療養することになり、そこで無償の愛を受けて次第に心を溶かしていく。
また、そこで出会った多くの人からたくさんのことを学び心身ともに健やかさを取り戻していくようになる。
そんなあすかの姿を見ていた家族たちは、あすかに対し酷い行いをしてしまったことに気付き反省し、また家族としての関係を修復していくのであった。
ハッピーバースデーはアニメ版もありますよ。読書感想文は抜きにして「ぜひ子供に見せたいアニメ」です。あと、大人にもオススメ!
本のテーマ(主題・キーワード)
・青春、いじめ
・家族愛
・虐待、DV
読書感想文の書き方やコツ
・家庭内での虐待に対する自分の意見や、虐待をしてしまう状況について分析して書いてみる。
・虐待をしてしまう側の立場、虐待をされた側の立場に立って気持ちを予想して書く。
・親や祖父母にもトラウマや後悔があること、それらを全て子どもが受けてしまうことの悪循環について書く。
読書感想文例文(中学生向け2000文字以内)
題名(タイトル):親だって人間
私も主人公のあすかと同じく、上に兄がいるので読んでいて気持ちが分かる部分がありました。兄とは昔からケンカしたことがあったし、両親は兄の方をかわいがっているのではないかと感じたこともあったからです。
これは、兄弟や姉妹がいる人は一度は経験する思いなのではないでしょうか。私の兄だってもしかしたら私のように「自分より妹の方がかわいがられている。」と感じることがあったかもしれません。私たち兄弟は、とても仲が悪いわけではないけれど、お互いどちらがより両親に愛されているのか競っていた部分もあると思うのです。
ですが、あすかの場合は違いました。あすかの母親は、あきらかに兄の方を溺愛していて、あすかにはきつく当たっていました。それは、あすかの母が幼少期に感じたトラウマが原因なのですが、そのトラウマとあすかは無関係なのにと思うと悲しくなります。
もし私が両親から明らかに兄と差別されて育っていたとしたら、きっと毎日悲しくて悔しくて、両親から愛されない自分が惨めでたまらなかったと思います。家は自分がほっとできる場所だと思うのですが、きっとそんな家でも安らぐことがなく、精神的におかしくなったかもしれません。
でも、親だって人間です。子どもがいたら、全員に平等の愛を与えられるわけではないのかもしれないと気づきました。そもそも性格の合う合わないがあるだろうし、同じように接するように求めること自体が間違っているのかもと思うようになったのです。
あすかの祖父母だって、子どもたち姉妹に平等に接しなかったことをずっと後悔しています。どれだけ年をとっても、あの時の自分のせいでこんなことになったのかもとか、こうしていれば違った結果になったかもと思うものなのだと感じました。
あすかは、兄から言われた酷い一言と、母親から取られた態度に深く傷ついて声が出なくなってしまいますが、その後祖父母のもとで静養できたのは人生の大きな転機になったと思います。自分を受け入れてくれるという愛情を感じられることで、傷ついた心が癒されて、心が解放されていったのだろうということがよく分かりました。それまで低下していた自尊心を少しずつ取り戻していくあすかの様子は読んでいてとても嬉しくなったし、優しい祖父母のことを私も大好きになりました。
そして、あすかは祖父母の田舎に帰ったことで、自身の母親の心の闇について知ることもできたのです。もしあすかが祖父母の元へ帰っていなかったら、あすかの中で母親を一生憎んでいたことになっただろうと思います。
自分のことを愛してくれなかった、兄とは違って酷い差別を受けた、そういった幼少期のトラウマにあすかは縛られたまま大人になっていたかもしれません。でも、自分の母親も傷ついた一人の人間だったのだと理解することで、許す気持ちや共感してあげる気持ちが沸いてきたのではないかと思います。
親にはどうしても完璧を求めてしまったり、頼りない姿を見たくなかったりする私も、あすかの心境の変化を読んでいるうちに「親だって一人の人間なんだ。」と思えるようになりました。私の母親は普段は私にも兄にも優しいですが、仕事が忙しい月末になるとちょっとしたことでもイライラしやすくなります。でも、父親が仕事終わりにお土産でスイーツを買ってきたら突然上機嫌になりニコニコ仕出します。
私の親だって一人の人間なんです。だから、兄弟を平等に扱えなかったり、たまに不機嫌そうだったり、その逆でどうしたの?っていうほど上機嫌になったり、そういうのも仕方ないことなんだと感じたのです。
私だって完璧な人間ではありません。友達皆に平等に接しているかと聞かれると、自信を持って「出来ています。」とは言えないです。母親のように期末テストで勉強に忙しい時はイライラしますし、夕飯が自分の好物だったら嬉しくなります。だからこそ、人に完璧さを求めてはいけないんだと思えるようになりました。
皆心のどこかに傷を持っていて、それに苦しめられていたり、葛藤と戦っているのかもしれません。そう思うと、「どうして私ばかり。」という気持ちもだんだんと薄れてきます。皆いろいろあるんだよねと、許す気持ちが大きくなるのです。
ハッピーバースデーを読んだことで、人の気持ちを想像できて、そして隠されているかもしれない痛みやトラウマについても理解していきたいと思えるようになりました。完璧な人はいない、そのことを教えてくれたこの本にとても感謝しています。
「親だって一人の人間」そんな風に感じるエピソードを書いてみるのも良いですね。
*コピペ、丸写し、無断転載、パクリはダメですよ。頑張って自分で考えましょう!
ハッピーバースデーの読書感想文まとめ
いかがだったでしょうか?
ハッピーバースデーは「家族愛・虐待」が1つのテーマなので、虐待について思うことを素直に書いてみるとよいですね。
もしくは、自分の家族の関係について振り返り書いてみるのもオススメですよ。
頑張ってくださいね。
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