くちびるに歌を 読書感想文の書き方と例文。中学生・高校生向け

くちびるに歌を 読書感想文の書き方と例文 中学生向け例文(原稿用紙5枚)

この記事では「くちびるに歌を(著者:中田永一)」で読書感想文を書く時のポイントを紹介しています。

また、一緒に「くちびるに歌をの読書感想文例文(中学生・高校生向け)」も紹介していますので、参考にしてくださいね。

 

先生 高得点

作家の中田永一さんは「乙一さん」の別ハンドルネームですよ。乙一さんの作品はどれも読みやすく、どんどん引き込まれていきますよね。

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くちびるに歌をの登場人物

柏木ユリ:故郷の中学に臨時で赴任してきた音楽教師。

東京の音大を卒業後、プロのピアニストとして活動していたが、友人の松山ハルコの頼みで実家に戻ってきた。周囲が驚くようなボロボロのトラックで中学に通っている。

 

松山ハルコ:音楽教師で、ユリの同級生。妊娠中で産休・育休をとることになり、その間合唱部の生徒達のことをユリに託す。

 

桑原サトル:ちびっこの男子生徒。ぼっち上級者。自閉症の兄がおり、自分はその将来を案じた親たちが世話係として産んだという事実を噛みしめながら日々を生きている。

 

仲村ナズナ:祖父母と暮らしている。父親は愛人と蒸発、母親をガンで亡くしており、孤独な中でも懸命に明るく振舞っている。

 

くちびるに歌をのあらすじ(簡単な話の内容)

長崎の五島列島にある小さな中学校に美しい音楽教師・柏木ユリが赴任してきました。

前任の松山ハルコの同級生だったことから、柏木はその学校の合唱部の活動を見てくれるようにと頼まれたのです。

 

合唱部は、それまで女子だけの弱小部で頑張ってきたところに、ユリ目当ての男子が入部希望で殺到したことから険悪な状態に陥ったりしたものの、ユリがNコン(NHK全国学校音楽コンクール)に“混声”でエントリーしたことから、トラブルを含みながらも次第に部として纏まりを見出しつつありました。

 

その頃、ユリは生徒たちに宿題を出しました。

課題曲が「手紙~拝啓 十五の君へ~」だったことから、「誰にも見せる必要はないから、15年後の自分に向けて手紙を書きなさい」というのです。

自分への手紙、ということから、生徒達は胸の中にあった様々な思いを吐露し、それぞれに思いがけない秘密が綴られていくことになりました。

先生 受ける

「くちびるに歌を」は映画化もされています。アンジェラ・アキさんの「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」の主題歌が感動するんですよ~。こちらもぜひチェックしてみてください。

 

本のテーマ(主題・キーワード)

・青春、友情

・部活、合唱部

 

読書感想文の書き方やコツ

誰の目線で物語を見るか、で印象が全く変わってくると思います。

ユリにはユリの事情があり…また、当たり前ですが、生徒らにはそれぞれ丹念にその設定が組み込まれていて、どれ一つ欠けてもこの物語にはなり得ない丁寧さが滲み出ています。

サトル側、ナズナ側、それぞれにウエイトを置いてみることで変化して見えます。

一度読んで好きなキャラを探し、そのキャラに注目して読み返してみると良いでしょう。

 

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読書感想文例文(中学生向け2000文字以内)

題名(タイトル):胸に響く透明な歌

 

「くちびるに歌を」はどこにでもいそうな中学生の、どんな人生にもきっとドラマがある…そんな瞬間を集めて凝縮していったような物語です。

長崎の五島列島という小さな世界で暮らしているナズナたちの毎日は淡々と流れていくはずでした。でも、一人の若い音楽教師が赴任してきたことから揺さぶられ、次第にまわりが変わってきました。東京からやってきた柏木ユリはぶっきらぼうでやる気がない人でしたが、誰もが認める美人だったことから、これまで弱小合唱部に見向きもしなかった男子たちが殺到し、穏やかだった部活がギスギスして居心地の悪いものに変わってしまったのです。

 

中学生と言えば、まだまだ子供だけど背伸びをしてみたくなったり、少しだけ大人の事情がわかったり、という微妙な変化の時期なんだと思います。ナズナや、同級生のサトルは、生きづらさを抱えながらも家族の空気を読み、その人生を受け入れながら暮らしていました。

その描写はオムニバスのように短い表現で巧みに盛り込まれていき、話を読み進めていく間に彼らだけでなく合唱部の生徒やユリの過去までもがするすると読者側に伝えられていくのですが、それはただの説明文ではなく会話だったり、彼らの行動だったりに自然に盛り込まれていました。なので、心地よく読めていく不思議な感覚がありました。

大人からすると中学生なんて「たった10数年間しか生きていないの人生」と感じるかもしれません。ですが、みんなそれぞれが違う経験をし、違う人生を歩んできました。まさにドラマです。

愛人と家出してしまった父に捨てられ、母はガンで亡くなり、祖父母と暮らしていたナズナ。祖父母はナズナを大切に育ててくれていましたが、自分の家族は他の家庭とは違うのだとどこかに一線を引いているような冷めた感覚を持っていました。

サトルは「ぼっち上級者」という表現でそのキャラを表されていましたが、なぜ彼がそうならざるを得なかったのか、という切実な事情が手紙からうかがえます。子供は無条件に愛されて生まれてくることが理想なのだとすれば、彼はまさに真逆の生まれでした。

調べてみて分かったことですが、障害や病気のある子供の将来を託すためにさらに子供を産む、ということがあるのだそうです。サトルは、自閉症の兄の行く末を案じた両親が、そのために決意して産んだ子供だったのです。

まだたった10数年しか生きていない、ちっぽけな、本来守られるべき存在だろう子供が背負わされるこの重たい物は一体何なんだろう。障害がある人を悪くいうつもりはありませんが、もし私の兄弟に障害があり、自分はその面倒を見るために生まれたとしたら、「私はなんのために生まれたんだろう。私は両親にとって兄弟を支えるためだけの存在なのかな」と悲しく感じると思います。

 

そんな小さい頃からずっと兄の面倒をみて、兄のことを第一にして生きてきたサトルが、初めて自分から「やってみたい!」と思い、親に懇願したのが合唱部の活動でした。

彼らが「誰にも見せなくて良いから」と前置きされた課題の手紙を書いていくうちに、むずむずするほどの共感と、伝わってくる悲しみや、それを超えてしまった自分自身や将来に対する「諦め」が、どろりと滲んできます。

しかし、彼らにとって幸いだったのは、そこに「歌」があったことです。ユリは決して良い音楽教師・顧問ではありませんでしたが、彼女なりに沢山のことを考え、生徒に接するようになりました。べたべたと密接に関わるのではなく、同じ部屋の隅っこに佇むようにして寄り添い「歌うこと、表現することで人は変わるのだ」とその背中で伝え、導いていたように感じます。

紙に書かれた文字でその歌声や五島列島の海、空の美しさ、コミュニティの狭さ、そこで暮らすことの息苦しさまでもが、まるで大きなシャボン玉の中に呑み込まれているかのようにするすると入ってくる不思議な感覚があります。

クライマックスにはそれなりの“ドラマチック”な出来事がありますが、しかしそれはナズナやサトルの、これからも続いていく人生のたった一コマでしかないのだな、と思います。そんな彼らを包む何よりも大きなもの。大人になった時に読み返す(かもしれない)自分たちへの手紙を載せた歌は、この物語を通して繰り返し自分の胸に響きます。

他人事ではありません。自分もナズナやサトルのように手紙を書いてみるべきなのでしょうが、なんだか怖くてまだ書けないままです。どんな人生もありふれているものではなく、一人ひとりが生きてきた軌跡はそれぞれが間違いなく「ドラマ」なのです。

 

教師 注意

アラスジ部分が多すぎますね><提出するだけならこれでもOKですが、高評価を得たいなら「自分の体験」も書くようにすると良いでしょう。

*コピペ、パクリ、丸写し、無断転載は禁止ですよ~

 

くちびるに歌をの読書感想文まとめ

いかがだったでしょうか?

例文はアラスジ部分が多すぎるのであまり真似しないでくださいね(笑)

もし「くちびるに歌を」で読書感想文を書くなら「自分への手紙」を書き、それをそのまま読書感想文にするのも変わっていてオススメですよ。

頑張ってくださいね!

 

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