この記事では「蜘蛛の糸(著者:芥川龍之介)」で読書感想文を書く時のポイントを紹介しています。
また、一緒に「蜘蛛の糸の読書感想文例文(中学生・高校生向け)」も紹介していますので、参考にしてくださいね。
蜘蛛の糸は教科書にもよく掲載されている作品。テーマもわかりやすいので、小学生、中学生、高校生と年齢を問わずオススメですよ。
蜘蛛の糸の登場人物
・犍陀多(カンダタ) : 主人公。殺人や家に火を放つなどの大泥棒で地獄に落ちた。
・御釈迦様(おしゃかさま) : 極楽から地獄をみることが出来る。
・地獄の罪人たち : 犍陀多と同じで罪を犯し地獄に落ちた人々。
蜘蛛の糸のあらすじ(簡単な話の内容)
ある日の朝のこと、極楽に住まわれる御釈迦様がお散歩の途中に蓮池のほとりで佇んでいました。
極楽にある蓮池の下には地獄がありました。
御釈迦様が蓮池を覗き込むと三途の河やら針の山の景色がみえます。
その地獄の底に、殺人や放火もした大泥棒の犍陀多(カンダタ)を見つけました。
御釈迦様は犍陀多がた地獄に落ちる以前に林で小さな蜘蛛を踏み殺しかけて止め、命を助けたという善行成し遂げたことを思い出しました。
そこで、犍陀多を地獄から助けやろと思い一本の蜘蛛の糸を犍陀多めがけて下ろしてやりました。
犍陀多は地獄の天から垂れてくるその一本の蜘蛛の糸を見つけて「これを登れば地獄から出られる」と考えました。
そして、その糸をつかんで天へと登りはじめました。
ところが途中でふと下を見下ろすと、ほかの多くの罪人達が自分の下から続いてくのが見えました。
このままではこの蜘蛛の糸が切れてしまうと思った犍陀多は「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は俺のものだぞ。下りろ!」とわめきました。
その途端蜘蛛の糸は切れてしまい、犍陀多も元の地獄の底に落ちてしまいました。
本のテーマ(主題・キーワード)
・善と悪
・他人を思いやる心の大切さ
読書感想文の書き方やコツ
・御釈迦様がなぜ犍陀多(カンダタ)を助けようとしたのか?
・犍陀多が、蜘蛛の糸を独り占めしようとした時も気持ちは?
この2つを踏まえた上で自分に照らし合わせてみましょう。
「似たような具体的な過去の体験」も一緒に書くと好印象ですよ。
読書感想文例文(中学生向け2000文字以内)
題名(タイトル):独り占めしようとすると損をする
この物語、蜘蛛の糸は地獄に落ちた罪人、犍陀多が御釈迦様の御慈悲によって地獄から逃げ出すチャンスを頂いたにも関わらず、結局、犍陀多の自己中心的な行いによって自らそのチャンスを逃してしまうという、とても悲しい結末で終わるお話です。
主人公である大泥棒の犍陀多は、人を殺したり家に火つけたりまでしたのだから現代の日本の社会で考えてもかなりの罪に問われても仕方のないことだと思います。だからもしこの世に地獄があるとするならば落ちて当然だと思いました。なのにただ一匹の蜘蛛を命を助けただけで、何故御釈迦様は地獄から抜け出すチャンスを与えたのだろうかと私は不思議に思いました。
一方で、虫とはいえ蜘蛛にも命があります。犍陀多は「いや、いや、これも小さいながら、命あるものに違いない。その命を無暗にとると云うことは、いくら何でも可哀そうだ」と小さな蜘蛛を助けます。
誰しも過ちはあります。もちろん犍陀多の罪は償っても取り替えしのつくものではないと思います。でも、その命の重さに代わりがないことを犍陀多が感じていたからこそ御釈迦様は地獄から救い出してあげようとしたのだと思いました。それは人として大切なことだと思いました。
そんな御釈迦様の気持ちなど犍陀多は気付くことなく、自分が地獄から助かることだけを考えてしまいました。とても残念で悲しいことだと思いました。でも、「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は己のものだぞ。お前は一体誰にきいて来た。下りろ。下りろ。」とわめく『自分さえ』という犍陀多の気持ちも分からなくはないと思う自分もいます。
それは私にも似たような思いしたことがあったからです。私が部活の陸上部の大会で優勝したときのことです。優勝したお祝いにおばあちゃんが、以前から私が欲しがっていたパソコンを買ってくれました。
それを知った妹はとても羨ましがって、使わしてほしいと何度もせがんできましたが私はパソコンを妹に壊されたりするのが嫌で一度も貸しませんでした。その時は、私が優勝して買ってもらったのだから私だけが使って当たり前だと思っていたんです。
母から何度も妹に貸してあげなさいと言われましたがそれでも貸しませんでした。私は母に何を言われても、私が頑張ったからおばあちゃんがご褒美に買ってくれたんだ、妹もパソコンが欲しかったら何かもっと頑張ればいいじゃん、としか考えられませんでした。
みかねた母は、とうとう私からパソコンを取り上げておばあちゃんに返してしまいました。おばあちゃんはそのことで、私と妹に何度もごめんね、ごめんねと「二人にちゃんとパソコンを2つ買ってあげれば良かったね。私がもっと気をつけてあげれば良かったね」と、謝りにきました。
その姿をみて私はなんて自分勝手だったんだろと思いました。自分さえ良ければいい、私のその気持ちは蜘蛛の糸の犍陀多となんら変わらなかったんです。
そして、パソコンを私に返すように母に頼んでくれたのもおばあちゃんでした。私は妹と一緒パソコンを使うことを母と約束して、元通り自分の元にパソコンが戻ってきました。
もちろん、その後は妹と仲良くパソコンを使っています。私が最初に心配していたような妹がパソコンを壊したり、私がパソコンをする時間が少なくなったりするようなことはありませんでした。私はこのことで「自分だけ良ければいい」という考えは、結局自分の首を絞めるだけなんだ、それよりもみんなで一緒に楽しくなった方が自分にとっても楽しいことなんだ、と気がつきました。
これからも蜘蛛の糸の犍陀多のようにもっと『自分さえ』と思うときが来るかもしれません。そして取り替えしのつかないチャンスを逃してしまうかもしれません。
犍陀多も一度は林の蜘蛛を踏み殺しかけて思い留まることができのだから、もっと冷静に考え御釈迦様のご慈悲に気づくことができたなら、他の罪人に対してわめくこともなく極楽に行けていたかもしれません。そう思うと本当にこの物語は悲しいです。
人は本当に困ったときこそ本性が出てしまいます。でも、本当にどうしようもない時でも、どこかで救いの手をそっと差し出してくれている人がいると思います。だからこそ、私はあの時の妹の気持ちやおばあちゃんの気持ちを忘れずに本当に困ったときにも他人を思いやれる人間になりたいと思いました。
「カンダタの気持ちと自分の過去の体験(パソコンについて)」を結びつけて書いているのが良いところですね。
*コピペ、無断転載、丸写し、パクリはダメですよ。参考程度にしましょう。
蜘蛛の糸の読書感想文まとめ
いかがだったでしょうか?
誰でも「自分だけオイシイ思いをしたい」「自分だけでも褒められたい」「自分だけでも良い点を取りたい」みたいに思ったことはありますよね。
そんな過去の体験とカンダタの気持ちを結びつけて書くと読書感想文も書きやすいですよ。
頑張ってくださいね。
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コメント
本当に助かりましたm(_ _)m
私も読書感想文で蜘蛛の糸を選んでどうしてもまとめが決まらず、3日くらい考えてました(笑)
もちろんコピペじゃなくちゃんと参考にさせて頂きました。٩( ‘ω’ )و
参考になりました
ありがとうございます