この記事では「鼻(著者:芥川龍之介)」で読書感想文を書く時のポイントを紹介しています。
また、一緒に「鼻の読書感想文例文(中学生・高校生向け)」も紹介していますので、参考にしてくださいね。
ご存知「芥川龍之介」の代表作の1つです。短いストーリーの中にしっかりとしたメッセージが込められていますよ!
鼻の登場人物
禅智内供:主人公で寺の僧侶。
五、六寸(15~18センチ程度)の長さの鼻を持ち、人々に笑われていることを気に病んでいる。
表面上は気にしていないかのように振舞っている。
弟子:鼻を短くする方法を医師から聞き、内供に教え実践を手伝う。
鼻のあらすじ(簡単な話の内容)
京都の僧侶である主人公禅智内供は、五、六寸ほどの長さのある鼻を持った人物だった。
そのため、人からからかわれたり、陰口を言われたりすることも多く、内心は傷ついている毎日だった。
だが、鼻を気にしていることを人に悟られることすら怯えた内供は、表面では何でもない風にして過ごしていた。
ある日、弟子が内供に鼻を短くする方法があるということを伝え、その方法を実践し見事普通の鼻の長さにすることに成功した。
だが、普通の鼻になっても内供のことを笑う人は減らずそれどころか長い時より増える一方となってしまった。
そのことで以前より自尊心が傷つけられた内供。
だがある晩、鼻が痒くなり翌朝起きるとまた長い鼻に戻っていた。
内供はそれを見て、もう自分を笑うものはいなくなると思ったのだった。
芥川龍之介は「人の心の醜さ・本質」を書くのが上手いですよね。色々と考えさせられる作品です><
本のテーマ(主題・キーワード)
・コンプレックス
・人の心の醜さ
・他人の評価を気にしてしまう心
読書感想文の書き方やコツ
・内供の鼻が短くなったにも関わらず笑われてしまった理由について書く
・人には、他者の不幸をあざ笑いたくなる心境が隠されていることを書く
・人の評価や判断を気にせず生きていくにはどうすればいいかを自分なりに考えてみる
読書感想文例文(中学生向け2000文字以内)
題名(タイトル):人の評価に振り回されないために
鼻というお話は、人間の心理をとても深くそして的確に表していると思いました。禅智内供は、人より長い鼻を笑われることを気にしていましたが、私も人と違っていてこそこそと陰口を言われたことがあるので気持ちがよく分かりました。
私は昔から癖毛が酷く、雨の日などは髪がくるくると巻いたようになってしまいます。それを見て「大仏みたい。」とか「女の子なのにかわいそう。」とか、笑われたことがありました。時には全く初対面の人からも「それって天然パーマ?かわいそうだね。」と言われたことがあるくらいです。
私はそのたび傷ついていましたが、内供と同じく表面上はなんてことないふりをしていました。傷ついてクヨクヨしていたところで、余計に友達ができなくなるだけだと思ったからです。
いつも笑顔で、人に親切にするように心がけていたら、こんな私にも親友と呼べる子ができました。彼女には何でも話せたし、癖毛のことで悩んでいることだって打ち明けたことがあります。
私の親友はきれいなストレートヘアだったので、いつも羨ましく感じていました。「くるくるしてるのも可愛いよ。」と言ってくれる親友ですが、やはり私はずっとストレートヘアに憧れがあったのです。
だから、夏休みに親に頼んでストレートパーマを当てることにしました。学校にも相談したところ、私の気持ちを汲んでくださり、パーマの許可をしてくれたので本当に嬉しかったです。
そして、初めてのストレートパーマ。どんな風になるか緊張していましたが、今までよりは真っすぐになって、人前に出るのも恥ずかしくないくらいになりました。何より、雨の日でも気にしなくていいんだと思うとすごく楽な気持ちになりました。
そして二学期、登校するとクラスメイトたちは一瞬驚いたような顔をしていました。私は今までみたいに笑われずにすむと思って少しわくわくしていたので、驚いた顔のクラスメイトを見て少しだけ誇らしい気持ちになっていました。
そして親友も驚いた顔で私を見ていました。でも、またひそひそと話している声が聞こえてきたのです。
「どれだけ強いパーマ当てたんだろう。」
「いつまでもつか見ものだね。」
そんな風に言われて、私は今まで以上に悲しかったです。そして親友も、そう言っている子たちと一緒に笑っていたので、裏切られたような気がしてかなりショックを受けました。2年前のことですが、今も鮮明に覚えていて、あの時私は一体どうすれば皆に笑われずに済んだのかということをたまに考えています。
でも、その答えを教えてくれたのが「鼻」でした。内供と私は全く同じだと思ったのです。内供は、鼻がまた伸びてきたことにほっとしていました。
実を言うと私も、ストレートパーマが取れてまた癖毛に戻って来たときにはほっとしてしまったのです。これでもう皆に笑われずに済むと思いました。
でも、人には他者の不幸をあざ笑い、成功を妬むという気持ちがあります。「人の不幸は蜜の味」という諺がありますが、まさにその通りだと思うのです。私がストレートヘアになったことが、成功だったのかというとよく分かりませんが、酷い癖毛が直った姿は皆にとっては面白くなかったのだろうと思いました。
こういう人の心理に気付いた今、人の評価を気にすることはなんてばかばかしいことなのだろうと感じました。そんなことを気にしていたら、自分のやりたいことはできないまま一生を終えてしまうのではないかと思ったのです。
私は今、憧れのストレートヘアはやめて髪をばっさり切りました。癖毛かどうかわからないくらい、見方によっては少年に見えるくらいばっさりと切ったのです。
それは別に私が癖毛を隠そうとして切ったのではなく、私が今夢中になっている陸上をする上で長い髪が邪魔だったから切ったのです。長い髪は走る時に邪魔になることがあったのですが、今の髪でしたら走ることだけに集中することができます。お陰で自己タイムも伸びました。
もちろん最初はまた私の髪形を見て笑う子がいました。でも、そんなこともう気にしません。私は今の自分のスタイルが好きと心から言えます。走ることに集中するためにベリーショートになった髪を私は気に入っていますし、この髪は私の誇りでもあります。
このように自分が納得することこそが、幸せになれるヒントなんだと「鼻」は教えてくれたのでした。
こんな風に「自分のコンプレックス」について正直に書いてみるのも良いですね。
*コピペ、パクリ、丸写し、無断転載はダメですよ。参考にする程度にしましょう!
鼻の読書感想文まとめ
いかがだったでしょうか?
芥川龍之介の鼻は「人の心の醜さ、人の評価を気にしてしまうことの愚かさ」が一つの教訓となっています。
誰でも人からの評価が気になることはありますよね。そういった経験を盛り込むと先生からも高評価を受けやすいですよ。
頑張ってくださいね。
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