この記事では「こころ(著者:夏目漱石)」で読書感想文を書く時のポイントを紹介しています。
また、一緒に「こころの読書感想文例文(中学生・高校生向け)」も紹介していますので、参考にしてくださいね。
夏目漱石の代表作「こころ」。小学生高学年~高校生と、幅広い年齢にオススメですよ!
こころの登場人物
・書生:主人公、海で後に先生と呼ぶこととなる男性と出会う。
・先生:書生と海で出会う。ごく平凡な男性だが、外国人と一緒に西洋風な水着で海水浴をしており、その姿が非常に目立つ。
・お嬢さん:先生の奥さん。先生が学生時代に下宿していた家の娘。
・K:先生の学生時代の親友、お嬢さんへの恋が破れたこと、先生の裏切りを知り自殺した。
こころのあらすじ(簡単な話の内容)
若い書生が海である男性と出会う。
書生は男性を先生と呼び、先生だけでなく先生の奥さんも交えて徐々に交流が深まっていくが、次第に先生と奥さんの夫婦関係に違和感を抱くようになる。
書生がそのことを先生に問い詰めると、先生は長い手紙を書生に託した。
そこには先生がずっと抱え続けてきた過去の苦悩が記されていた。
学生時代、先生にはKという友人がおり二人はある家に下宿をしていた。
Kは優秀で純粋な男であり、先生とは同郷のいわば親友と呼べる間柄であった。
そんな二人の関係はある女性によって崩壊する。
下宿債の美しい娘「お嬢さん」だ。
お嬢さんは先生の気を引くためにわざとKに気を持たせるよう振舞った。
そんなことも知らずKはお嬢さんに恋をした。
先生も彼女が好きだった。
Kは正直に先生に恋心を打ち明け、お嬢さんとの恋路を応援してくれないかと頼んできた。
先生はKの頼みを表面上は承諾したが、実はこっそりと裏でKを出し抜きお嬢さんの恋人の座を射止めたのである。
先生とお嬢さんのことを知ったKは祝福の言葉を述べたものの、数日後に自死してしまった。
先生はずっとKへの罪悪感を抱えながらお嬢さんとの結婚生活を営んできた。
せっかくの愛する人との結婚生活も、親友を死へ追いやったという罪悪感から心より幸せを感じることは出来なかった。
ふと自殺が頭をよぎることもあったが、実行に至ることはなかった。
そんな中明治天皇崩御の知らせを聞き、ついに自死へと動き出してしまったのだった。
本のテーマ(主題・キーワード)
・青春
・恋愛
・友情
・ミステリー
読書感想文の書き方やコツ
先生の心の揺れ動きを丁寧に描いている作品なので、先生の気持ちを想像しながら読み進める事が大切になります。
親友を死に追いやってしまった消えない罪の意識をどう抱えて生きてきたか、それが崩壊する人間のあっけなさを読み取ることがポイントです。
また、「友達を裏切ったこと」「ズルをして後悔したこと」等があれば、そういった体験談をからめて書くと良いですね。
「罪悪感」が1つのポイントですよ
読書感想文例文(中学生向け2000文字以内)
題名(タイトル):こころが重くなる時
こころの中で先生は親友を裏切ってしまいます。親友から好きだと相談された女性と、裏で連絡を取り合い、そして付き合ってしまうのです。私も好きな男子がいたら、彼と仲良くなりたいと思うので先生の気持ちもわかります。なので、先生がしたことは絶対にダメだとは言えません。誰だって好きな人ができたら、似たようなことをしてしまうことがあるからです。
先生が不幸だったのは、先生の裏切りに傷ついたKが自殺してしまったことです。自分がしたことが原因で親友が死んでしまう……。お陰で先生は大好きだったお嬢さんと結ばれたにも関わらず幸せな生活を送ることができません。結婚後もずっと不幸なままでした。
でも、私は思うのです。もし、Kが自殺せずに生きていたとしたら、先生は幸せになれただろうか、と。仮にKが生きて二人の交際や結婚を喜んでくれたとしても、「Kを裏切った」という先生のしたことは消えません。なので、Kが自殺したときよりは楽かもですが、先生の中で罪悪感はずっと残ったままなのではないかと思うんです。
実は私にも似たような経験があります。それは小学校のテストの時です。どうしてもテストで良い点が取りたかった私はペンケースの中に、答えを書いたメモを小さく折りたたみ忍ばせていました。そして、テストの時にそのメモを見て解答したんです。そう、良い点数をとるために私はしてはいけないカンニングをしてしまったんです。結果、私は百点を取りました。
この百点に先生も両親も喜んでくれました。友達もスゴイね、と言ってくれました。でも、この百点はズルをしてとった百点です。みんなは一生懸命勉強してテストを受けたのに、私はこっそりとみんなに隠れて答えをカンニングしていたんです。
いつもだったら嬉しいはずの先生の「すごいね、やるじゃん!」という言葉も全く嬉しくありません。次の日、両親が「頑張ったご褒美」と言って作ってくれた私の好物のハンバーグも全く美味しくありませんでした。
そればかりか、時間が経つごとに段々ともしバレたらどうしよう、という不安が押し寄せてきました。こんなことをして自分はなんて悪いやつなんだ、こんなことを周りに知られたら軽蔑されるに違いない、と暗い気持ちに押しつぶされそうになってきたんです。
罪悪感に耐えられなくなった私は、意を決して両親に本当のことを話しました。すると両親は「よく話してくれたね。心配しなくていいから、先生にも正直に伝えなさい」と私に言ってくれました。学校に登校した後、先生にも正直に伝えたら、先生は少しだけ怒った後に「でも、正直に話してくれてありがとう」と言ってくれました。
その後、私のテストは百点から九十八点になりました。
点数は下がりましたが、今まで心の中を塗りつぶしたようにどす黒かった気持ちはキレイサッパリなくなり、晴れやかな気持ちになりました。私はそれから、一度もカンニングをしたことがありません。
いくら良い結果を出すためでも、やはりズルはダメです。ズルをして得られた結果は全く嬉しくありません。それどころか、先生のように罪悪感の重みで「こころ」が押しつぶされそうになります。
現在、私は高校受験に向け試験勉強中です。志望校の1つは私の偏差値よりかなり高めの高校となります。私がその高校に受かるにはかなりの勉強が必要です。カンニングをしてしまいたいという気持ちが全くないと言えば、嘘になります。
でも、私はもしカンニングをしてしまったら、その後どうなるかを知っています。仮にカンニングがバレなかったとしても、一生後悔することになることを知っています。なので、カンニングのようなズルはしません。志望校に自分の実力で受かるために猛勉強あるのみ、です。
きっとこれからの人生でもズルをしたくなることがあると思います。その時は「こころ」で得られた教訓をもとにぐっと我慢しようと思います。そっちの方が、もしそれで悪い結果になったとしても、ズルをして良い結果を得るより何倍もこころがスッキリするはずです。
そんな風に思わせてくれた「夏目漱石のこころ」に出会えたことに感謝したいです。
これまでの人生で罪悪感を感じたことがある人もいるはず。そういった出来事と絡めて書くのもオススメですよ。
*コピペ、無断転載、パクリ、丸写しなどはダメですよ。こころのようにズルせず自分で書きましょうね(笑)
こころの読書感想文まとめ
いかがだったでしょうか?
夏目漱石のこころは「罪悪感」が一つのテーマです。
「ズルした経験」、「誰かを裏切った経験」、「悪いことをしたけど中々正直に言えなかった経験」…誰でもあるのではないでしょうか?
そういったことを題材の一つにして書くと書きやすいですよ。
頑張ってくださいね!
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