この記事では「夜のピクニック(著者:恩田陸)」で読書感想文を書く時のポイントを紹介しています。
また、一緒に「夜のピクニックの読書感想文例文(中学生・高校生向け)」も紹介していますので、参考にしてくださいね。
「本屋大賞」を受賞した恩田陸さんの作品。読み終わるとほんわかとした気持ちにさせられます♪
夜のピクニックの登場人物
• 甲田貴子:北高3年生。母子家庭で育つ。
• 西脇融:貴子の同級生。硬式テニス部所属。貴子の異母兄弟。父は胃癌で他界した。
• 遊佐美和子:貴子の親友。文武両道。和風美人でミーハーなお嬢様。
• 戸田忍:貴子と融の同級生。融の親友。水泳部所属。
夜のピクニックのあらすじ(簡単な話の内容)
全校生徒が24時間かけて80㎞を歩く北高校の名物行事、「歩行祭」。
3年の貴子は、1年に1度だけの最後の歩行祭に、クラスメイトの西脇融に声をかけるという賭けをする。
貴子は以前から、恋愛感情とは違うある理由で融を意識していたものの、今回の行事まで一度も話したことはなかった。
実は、貴子は融の父親の愛人との間にできた子供で、二人は異母兄弟だったのだ。
お互いを気になる存在と認めていたが、ふたりを複雑な過去が思いとどまらせ、今日まで話し合ったことはなかった。
そして行事当日。
貴子は意を決し融に話しかけるが、融は貴子を無視し、睨みつけ強く拒絶してしまう。
そんなぎこちないふたりを見たクラスメイトたちは、彼らが付き合っているのではと嘘の噂を流し始める。
果たして、貴子と融は関係を修復できるのか?
非日常と高校生という化学反応が起こす影のある青春。
“本当の家族”とは何かを問う本屋大賞作品、ついに登場!
「夜のピクニック」は映画化もされています。本が苦手な人は先にDVDを見るのもオススメです。
本のテーマ(主題・キーワード)
・青春、友情、恋愛、高校生
・兄弟、家族
・学校の行事
読書感想文の書き方やコツ
高校生の主役物語ではなく、彼らを取り巻く環境が示す家族に焦点を当てる。
親、子供、そして家族を持つ人たちの気持ちを代弁するかのような書き方をする。
また自分のエピソードを交え、リアリティを強くさせる文章にすることを忘れないようにする。
読書感想文例文(中学生向け2000文字以内)
題名(タイトル):思春期の意義
一家団欒という四字熟語がある。意味は、「家族全員が集まって、語りあう時間を過ごす」というもの。これができている家族は、今の日本にどれほどいるだろうか。毎週日曜日に放送されているアニメの「ちびまる子ちゃん」・「サザエさん」でおなじみの団欒シーンには、朗らかで穏やかな空気がモクモクと出ているのを、毎週観ていてよく伝わってくる。2つのアニメが示すものは、家族の理想像ではないかと思う。
恥ずかしながら、私はこの本に出会うまで「異母兄弟」という言葉自体を知らなかった。母親は違うが血縁関係を持つ姉弟で、さらに高校生という設定が「爽やかなキラキラ青春」という偏見を作ってしまったが、それを見事に打ち砕いてくれた。高校生と家族という2ワードが、これほど複雑なドラマに変貌するとは全く想像していなかった。
父親の正当な娘である貴子と、父親の愛人の息子である融。融の貴子に対する意識は、私にとっては身近な感情だった。「あいつがいなければ、僕は普通の生活を送れて、高校生になって青春ができた。」このようなわだかまりを抱えている高校生は、今の日本ではマイノリティ的存在だろう。だが、融がボソッと漏らした一言、「俺もちゃんと青春したかった。」「青春がしてみたい」、私はこの言葉に強く共感を覚えたのだ。ここからは実体験を話す。
現時点での私は、肉体は完全に女だが、心は女とは違う部分を持っている。男なのか、それともどちらでもない、或いはカテゴライズされない別の人格なのか、それはまだ分からない。何より、思春期が来ない。
恋愛とか友情とかって、そんなものはこの世に存在しないのではないか。自分と同世代の人たちが、おそらく過ごしているだろう日常が描かれているシーンを勉強するために、恋愛ドラマや少女漫画を比較的多く読んできた。キスシーンなどの身体が接触するシーンは数えきれないほどあったが、その瞬間ごとは心臓がドキッとしても、その後にいわゆる「胸がキュンとする」感情が全くなかった。「なにがそんなに面白いの?どうしてそんなに共感ができるの?」その疑問から、「自分のアイデンティティを探す旅に出る」。そんな確信が持てたのは、ここ数日のことだった。
振り返れば、中学生になっても周りの子たちが恋バナやドラマの話でバカ騒ぎをしている片隅で、ただただ本を持ったまま座っている生徒だった。人の目を見るのが怖く、ビクビクした猫背のメガネ付きな地味人間。まとめればこのような感じだ。
同世代の声のトーンや話の内容には、少しの嫌悪感を抱いていた。本しか友達と言えない学生というキャッチコピーは、今でも変わってはいない。現在と中学時代の共通の疑問は、「恋愛ってそんなに価値があるものなの?」「友情なんてすぐ壊れてしまうから、友達なんて作る価値がないんじゃないの?」と、常人が作った勝手な固定観念に対して、私は1人で闘い抗っていた。
貴子と融の関係性は、おそらく現実の高校生やマンガで描かれるシーンとは真逆だろう。「闇と影が共存する負の青春」と呼ぶべきだろうか。融は、貴子に対して恨みや憎しみというマイナスな感情が強かったが、2人を取り巻く友人たちの計らいやサプライズのおかげで、最終的に貴子は融の誕生日である歩行祭の最終日に、「誕生日おめでとう。」と、穏やかで素直な自分の想いを融に伝えることができた。それがきっかけとなり、融は貴子の想いと存在を受け入れ、貴子も長い間抱えていたわだかまりが消えて、互いを認め合った。
思春期とは、「自分は何者か?」という単純な問いから始まり、長所・短所、人間関係や人柄などの複雑な細部まで「自分」という肉体と人格を徹底的に考える時期だ。彼らの思春期は、ある意味私と似ている部分はある。自分を否定したり、周りの視線や価値観に徹底的に抗って、闘って、考え悩み抜いた先にひとつの答えが待っている。私も、貴子と融の関係性から学べることがたくさんあった。それをこれからの生き方や考え方に参考にしたいと、強く感じた作品だった。
こんな風に「自分のリアルな悩み」を書いてみてもいいですね。
*パクリ、丸写し、無断転載、コピペはダメですよ。感想文は自分で考えましょう♪
夜のピクニックの読書感想文まとめ
いかがだったでしょうか?
夜のピクニックは「家族のあり方をえがく青春物語」でもありますし、自分のアイデンティティを探す話でもあります。
登場人物と共感できる部分もあると思いますので、そういったところに注目すると書きやすいですよ。
頑張ってくださいね。
↓一緒に読みたい人気記事↓
コメント
とてもわかり易かった