この記事では「羅生門(著者:芥川龍之介)」で読書感想文を書く時のポイントを紹介しています。
また、一緒に「羅生門の読書感想文例文(小学生高学年5~6年生向け)」も紹介していますので、参考にしてくださいね。
教科書にも掲載されている「羅生門」。哲学的で少し難しくも感じますがコツを掴めば簡単に書けますよ♪
羅生門の登場人物
・下人:仕えていた主人から解雇されてしまい、盗賊になろうかと悩んでいる。
・老婆:死んだ女から髪を抜いてかつらを作ろうとしている。
・死んだ若い女:老婆から髪を抜かれる。生きていたころは生活のために、蛇の干物を「魚の干物」として売っていた。
羅生門のあらすじ(簡単な話の内容)
平安時代、天変地異が続いて、都は衰退していた。
ある夕暮れ、荒れ果てた羅生門の下で、若い下人が途方に暮れていた。
彼は使えていた主人から解雇されたばかりで、生きるすべがなく「このまま盗賊になろうか」と考えているのだが勇気が出ずにいた。
そのとき、羅生門の2階に人の気配を感じて彼はのぼってみる。
そこには多くの遺体が捨てられていた。
その中には明かりがともっており、老婆が若い女の痛いから髪を引き抜いていた。
激しい怒りを感じた彼は老婆に襲い掛かるが「悪いことをしているかもしれないが、この女も生前は蛇の干物を干魚だとして売り歩いていた。生きるために必要な悪だ。だから自分も許される」といわれる。
老婆の言葉を聞き、下人の心に勇気が生まれて、老婆を組み伏せて着ているものをはぎとり「おれもそうしなければ餓死する」と告げて闇の中に消えるのだった。
本のテーマ(主題・キーワード)
・生きるための勇気
・悪と正義
読書感想文の書き方やコツ
羅生門は「生きるために必要な悪」を描いた小説です。
短いものの若干文章が難解であり内容も複雑であるため、低学年には内容の理解は難しくなります。
「正しいことをしなくてはならない」と教えられて育つ中で、羅生門では「生きるために必要な悪」だけが描かれているからです。
この「生きるために必要な悪」についてどう感じたか、がポイントとなる部分です。
読書感想文例文(小学生高学年向け1200文字以内)
題名(タイトル):生きるために必要な悪とは
どうにもならないことをどうにかするために、羅生門の下にいた下人は悩んでいます。 手段を選ぶ余裕もなく、選んでいれば、飢え死にして羅生門に犬のように捨てられるしかないからです。 その悩んでいる内容というのが「盗賊になるよりほかに生きる手段がない」というものです。
天変地異が続いていて、都が荒れ果てていて、下人も仕事がなくなってしまい、どうしようもないからです。 盗賊になるしかない、と考えるしかない時代というのは、そういう時代に生まれていない私には少し想像ができません。
私たちは、学校でも、家でも、「悪いことをしてはいけない」と教えられます。 こんなふうに、悪い人しか出てこない物語を読むということもふだんはありません。 しかし「羅生門」に出てくる人物は、みんな悪いことをしたか、しているか、しようとしている人です。 時代や、社会によっては、「生きるためには悪いことをしなくてはならない」というようなことなのだろうと感じました。 そして自分が、そういう時代に生まれなくて良かった、とも感じました。
羅生門の上にいた老婆は、かつらを作るために女の髪を引き抜いていました。 死んだ人がいっぱいいる場所で、日が落ちてから、死んだ人の髪を抜いているというのは、ちょっと怖い光景だと思います。 そして、そういう怖いことをしなければ、生きることができない世の中であるというのは、もっと怖いです。
老婆がしていることに下人は怒ってしまいますが、それはきっと正義感による怒りだったに違いありません。 しかし老婆の説明を聞いて、その正義感は消えてしまいます。 そして逆に「自分にも必要だから」と老婆の着ているものをはぎ取って、老婆を蹴倒してしまいます。 そのまま下人はどこかに行ってしまい、行方が分かりません。
下人はそのまま盗賊になってしまったと考えると「それは良くないことだな」と感じます。 そうしなければ生きられないという状況ならば、それも仕方がないことなのでしょうか。 それでも、やっぱり、悪いことをしなければ生きられない世の中というのは、とても残念な世の中です。
「羅生門」を読んで、ときには「生きるために必要な悪もある」ということを学んだような気がします。 でも、そういうことをしなければ生きられない世の中にならないようにしなくてはいけない、と感じました。 私が生きているあいだに、自分が住んでいる国が、そういうふうにならなければいいな、と願っています。
このように「生きるために必要な勇気」「生きるために必要な悪」について自分の考えを書いてみてもいいですね。
*パクり、丸写し、無断転載、コピペはNGですよ。自分で考えて書きましょう。
羅生門の読書感想文まとめ
いかがだったでしょうか?
羅生門は「生きるための勇気」について書かれたものです。
「生きるために悪事を働いてもいいのか」「生きるためだったら何をしてもいいのか」「自分がそんな状況ならどうするのか」を考えると書きやすいですよ。
頑張ってくださいね。
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