高瀬舟の読書感想文の書き方と例文。中学生・高校生向け!

高瀬舟 読書感想文の書き方と例文 中学生向け例文(原稿用紙5枚)

この記事では「高瀬舟(著者:森鴎外)」で読書感想文を書く時のポイントを紹介しています。

また、一緒に「高瀬舟の読書感想文例文(中学生・高校生向け)」も紹介していますので、参考にしてくださいね。

 

先生 高得点

内容がハッキリしているので、森鴎外の代表作「舞姫」に比べたら読みやすいですよ。

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高瀬舟の登場人物

羽田庄兵衛:京町奉行所の同心。護送役として高瀬舟に乗り、喜助を大阪まで送り届けることになった。

喜助:弟殺しの罪人として遠島(島流し)に処せられ、京を旅立った。川を下る間に庄兵衛に、なぜ弟を殺したかを語る。

弟:喜助の弟。幼い頃に両親と死に別れ、喜助と二人で生きてきたが、病に倒れ働けなくなる。

 

高瀬舟のあらすじ(簡単な話の内容)

江戸時代、京都では、主な物流を街の中を流れる高瀬川を運河として、高瀬舟と呼ばれる舟が担っていました。

その時代、遠島(島流し)に処せられた罪人を人目をはばかって夜のうちに大阪に移送するためにも、その高瀬舟は使用されていたのです。

 

ある夜、京町奉行所の同心・羽田庄兵衛は一人の罪人を大阪まで護送することになりました。

その名は喜助。

弟を殺したという彼は、しかし粗暴な振りなどみじんも見せることなく、神妙に、穏やかにそこに居たのです。

 

清々しくすら見えるその風情に興味をひかれた庄兵衛は喜助に「どうしてそんな態度でいられるのか」と尋ねました。

すると喜助は、これまでの苦難に満ちた人生に比べれば、働くこともなく牢でまともな食事を与えられ、お上の慈悲で二百文もの金を与えられたことに有難さを感じているのだというのです。

弟を殺した、というその罪と、喜助の様子があまりにも結びつかない庄兵衛は、なぜその罪を犯したかを尋ねてしまいました。

そして、喜助が語り始めたかれの“罪”の顛末は、あまりにも悲しいものだったのです…。

 

本のテーマ(主題・キーワード)

・罪とは何か

・安楽死、尊厳死

・貧困

・心の葛藤

 

読書感想文の書き方やコツ

江戸時代の京都の地理や、この物語の舞台の季節を想像してみると、小さい舟の上でどんな空気でこの会話が展開していったか、その味わいが増すと思われます。

真夏の蒸し暑い時でも、真冬の凍える季節でもなかったことで、喜助の何とも言えない、晴れ晴れとしたその心持ちと表情が浮かんできます。

 

読書感想文を書く時は「自分が喜助だったらどうしたか」を想像すると書きやすいでしょう。

また、「安楽死や尊厳死についてどう思うか」を書いてみるのもオススメですよ。

教師 注意

少し難しいテーマですが、ネットで安楽死について調べてみて自分なりの考えを書いてみても良いですね。

 

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読書感想文例文(中学生向け2000文字以内)

題名(タイトル):それは誰のための罪だったのか

 

高瀬川は江戸時代初期に作られた京都の街中にある運河です。そこを行き来する高瀬舟にちなんで名前が付けられたというその河を、夜になると罪人を載せた舟が大阪に下ってゆくのでした。

伏見へ抜け、大阪へとむかうその道すがら、京町奉行所の同心・羽田庄兵衛は罪人の不思議な様子に気付きました。弟を殺したという罪で島流しになったという喜助は、いつも見かける罪人たちが嘆き悲しんでいるのとは対極ともいうべき安らかな表情をしていたのです。

島流しとは、死罪よりは軽いものの、強盗や人殺しという凶悪犯だけでなく、心中の生き残りなど、やむを得ず罪を犯した者も多かった、といいます。そんな咎人らはみな舟で下っていく間に自分の不幸を悔やみ、嘆くのが通例であったというのに、その喜助は、一向にそのような様子は見せず、月を仰いで黙って座っていたのです。その様子が、これまでの経験では見たことがない、と庄兵衛は不思議な面持ちで見ていたのです。

理由を喜助にたずねると、彼は牢で食べた粗末な食事とお上の慈悲で与えられた二百文の金を有難いというのです。江戸時代、一杯の蕎麦が十六文と決まっていました。それを八百円としたら、二百文は現在の貨幣価値で一万円程度になるでしょうか。どれほど働いてもその金を手にしたことがなかったという喜助。

幼くして両親を失った子供らが味わってきた辛酸は、恐らく同じ時代を生きていた庄兵衛にも本当のところは理解できないほど酷い物だったのでしょう。そうして肩を寄せ合うように生きてきた喜助と弟でしたが、弟は病に倒れ、働けなくなり、兄の喜助に迷惑をかけることを恐れて自死を選んだのだというのです。しかし、死にきれなかった。その弟が苦しむところに帰ってきた喜助は、弟に懇願されて喉に刺さった剃刀を抜いたのです。不運なことに、近所の婆さんが、その様子を見て飛び出していき、喜助は弟を殺した犯人として捕らえられたのでした。

 

兄を思う弟の死を、叶えたことでその兄が捕まってしまう。自殺ほう助、そして安楽死として今でも“永遠のテーマ”として結論の出ないお話です。私がもし喜助だったらどうしたのか、考えてみても答えがでません。剃刀を抜かなかったとしたら苦しむ弟の姿を見て後悔したでしょうし、剃刀を抜いたとしても弟の命を救えなかったことに後悔したのかもしれません。

現代風に「もし母親が重い癌になって苦しんでいて、その母親が安楽死を望んでいたとしたら」と考えてみましたが、やはり答えはでませんでした。病気で苦しむ母親を楽にしてあげたい気持ちもありますが、どんなに苦しんでいたとしてもたった一人の母親に生きていて欲しい気持ちもあります。

逆に「自分がもし癌のような治らない病気で毎日が苦しかったとしたらどうだろう」と思うと考えが変わってきます。毎日、私自身が死にそうな痛みを受けるとしたらなかなか耐えられないです。それに加えて、そんな自分を毎日介護しなければならない家族。きっと自分のことは後回しにして、私の介護で心身ともに疲れていくことでしょう。自由な時間もないはずです。

そう思うと、私自身が痛みから解放されたいという気持ちもありますが、私自身の看病のために時間を潰している家族を解放してあげたいという気持ちもでてきます。そうなると、きっと私は自分自身の安楽死を望むでしょう。

 

さて、話を戻して今の時代の裁判であれば「情状酌量」で、そのどうしようもない状況を汲んで、喜助にも温情が与えられたかもしれません。しかしその時代には個人にも社会にもそんな余裕はありませんでした。三十歳そこそこで島に流されていく喜助と、それよりも若くして死んでしまった彼の弟の幸福は、どこにあったのでしょう。

しかしこれは、二百年前の時代に限ったことでは無い気がします。毎日のニュースでみかける世知辛い事件のかずかずを見るに、今の日本も、根底にあるものは、この高瀬舟の時代となんら変わらないようにすら思えます。しかし、生き切った、とでも言いたげに、まるで全てを投げうったような喜助の様子は、庄兵衛の目にも、私にも、気高くすらあるように見えたのです。

彼はこれからどうなっていくのでしょう。お慈悲の二百文の金が、過酷な島の暮らしでいつまでもつのかは分かりません。彼が生きて本土に戻って来られるかどうか、その未来は誰にも分らないままに高瀬舟は黒い水面をすべるように大阪に向かって進むのです。月の光の中で、喜助と庄兵衛の静かな時間は流れます。もしかしたら、庄兵衛と私は、一人の男の最高に幸せな瞬間を見届けたのかもしれません。

 

教師 注意

この感想文のように安楽死や尊厳死について自分なりの考えを書いてみてもいいですね。あと、最後のまとめ部分は「本を読んで学んだこと」等をまとめられるとさらに良いです。

*コピペ、無断転載、パクリ、丸写しはNGですよ。頑張って自分で書きましょう!

高瀬舟の読書感想文まとめ

いかがだったでしょうか?

高瀬舟は「安楽死・尊厳死」が一つのテーマでもあります。

安楽死や尊厳死について「自分だったらどう思うか、自分の家族だったらどう思うか」を考えると書きやすいですよ。

頑張ってくださいね。

 

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