この記事では「ツナグ(著者:辻村深月)」で読書感想文を書く時のポイントを紹介しています。
また、一緒に「ツナグの読書感想文例文(中学生・高校生向け)」も紹介していますので、参考にしてくださいね。
死者と生者を1度だけ会わせることができるツナグ。独特の世界観が面白いです。また、短編集なので読みやすいですよ。
ツナグの登場人物
ツナグ:大学生くらいとの描写、実際は高校生でこの仕事は一家代々のもの。
平瀬愛美:初めの依頼者。
水城サオリ:芸能人、平瀬が会いたい人。
畠田家:二番目の依頼者、母もツナグに生前依頼している。一家で受け継がれているようだ。
嵐美砂:三番目の依頼者。美しい容姿で勝気な性格。親友が亡くなったのは自分のせいだと思っている。
御園奈津:嵐の親友、事故で亡くなる。
土谷功一:四番目の依頼者。婚約者を探している会社員。
日向キラリ:事故で亡くなっていた。見栄のせいで偽名を使う。土谷の婚約者。
ツナグのあらすじ(簡単な話の内容)
たった一回だけ、死者と会わせてくれる「使者」がいる。
使者と書いてツナグ。
その権利を使えるのは人生でたった一度きり。
心の拠り所になっていた芸能人の死後、どうしても彼女に会いたいんだと願う冴えないOL。
根は優しいが頑固で分からず屋な一家の長男が亡くなった母に会いたい理由。
嫉妬していた親友に後悔するような出来事をしてしまい、そのまま親友を亡くしてしまった女子高生。
今となったら出身も名前も定かではない失踪した婚約者を7年も待ち続ける男性。
そしてツナグ自身の壮絶な過去と現在。
それぞれの物語が織りなす繊細で清らかな、心を打たれる短編集。
2012年に映画化され、発売から10年近く経った今なお愛される不朽の名作。
小説が苦手な人は映画を先に見るのもオススメですよ。松坂桃李と樹木希林が親子役で出ていて面白かったです!
本のテーマ(主題)
・恋愛
・友情、友達
・生と死(命の大切さ)
読書感想文の書き方やコツ
短編集ですがそれぞれのお話が全く違うわけではないし、特に最後のツナグの章は全部に繋がっていたので細かくわけて書く必要はないかと思います。
その代わり話の軸をどこに持っていくのかを気を付けた方が良さそう。
「死者と会えるとしたら誰と会うか?なぜそう思うのか?」を想像して書くのも面白うそうですね。
読書感想文例文(中学生向け2000文字以内)
題名(タイトル):「生」と「死」
ツナグ。もし現実に死者と生きている者との仲介人がいたら私は誰かに会うだろうか。
まだ幸いにも両親は健在だし、好きな人だって生きている。大切な人が亡くなるってどんな感覚なんだろう。今のこの当たり前がなくなるって一体どんな感覚なのか想像がつかない私はいわゆる幸せ者だ。
ツナグは鏡を使って死者を呼び出す。その鏡は絶対持ち主以外の人に覗かせてはならず、もし覗いてしまうと鏡の持ち主と覗いた人両方が死んでしまう。主人公がそのせいで両親を亡くしたことは死者と通信できる代償であり悲痛な運命と言えばそれまでなのだろう。
でも、なぜだろう。あまりこの物語を「悲痛な運命」とか「悲しい物語」とか言いたくない。この物語があまりにも現実離れしているせいだろうか。それとも、物語を読み終わった後に清々しい気持ちになったからだろうか。
「生」と「死」。その違いははっきりしていて交わることはない。そう思っていたし現実には一度死んでしまった人と会うことは二度と無い。でもこの物語を読んでしまうと「生」と「死」の間に曖昧な何かが存在して、死者と会うこともできるのではないかと思ってしまった。
たった一度きり会っただけ、でも彼女にとっては本当に人生のドン底から救ってくれた有名人に会いたいと願うOL。典型的な頑固親父で田舎者。前時代的な考えのいつも気張っている長男が母親に会った時の涙。会った理由も色々都合をつけていたけどなんだかんだ寂しかったからというのもまた面白い。
勝気で美人な彼女が初めてできた親友。自分の自信のなさゆえ親友に嫉妬し、嫉妬に狂うあまりちょっとした出来心で不運な運命をたどってしまう。失踪した婚約者をいつまでも待っている男性が7年越しにやっと会えた瞬間。「だから気をつけてって言ったじゃないか」は映画みたいだと思った。でも、私が同じ立場だったらそう言ってしまうかもしれない。それほど感動的な再会だった。
一番共感できるのは女子高生の話だ。私にも親友と呼べる相手が一人いる。でも彼女達と同じように嫉妬したりされたりのくり返しだったように思える。男子達がよく私達を似ている、見分けがつかない。など言っていてなんだか誇らしかった。
彼女が一生懸命勉強を始めると面白くなかったし、私が彼女の知らない話を他人にするのは面白くなさそうだった。仲が良く、それでいて危うい。そんな関係だったように思う。学生特有の、あの閉鎖された空間特有の濃い関係があるのだ。
この物語の女子高生・嵐が自分が嫉妬したことでしてしまったと負い目をずっと背負っていくのだと思うと不憫で仕方がない。嵐はきっと聞かないと思うけど、そんなものは誰でも体験しているし御園はそんな風に思っていないよと背中をさすってあげたい。
そして彼女にはもう御園以上の友は現れないのかもしれないけど、臆せずに友を作ってほしい。きっとその方が御園も嬉しいから。大丈夫、あなたは悪くない。と言ってくれる友に、大人に出会えますように。
ツナグの役割をおばあちゃんが歩美に譲ったのはわかる気がする。本人は家の制度がどうとか言っていたけど私は彼の人柄だと思っている。
ぶっきらぼうだけど、優しいし、女からするともうちょっと鈍感であってほしいと思うくらい鋭い。でも鋭いというのは相手のことをよく見ているということ。気を配れる人じゃないとこんな繊細な仕事は絶対に務まらない。
もし、私がこんなサービスを利用するようなことがあったら間違いなく彼に依頼したいと思う。彼のおばあさんも魅力的だけど。人の人生に介入することへの責任、自分のメンタル。おばあちゃんの思い。全部わかって受け入れるのは本当にかっこいいと思う。
御園が彼に惚れた理由もわかるなぁ。死者と会って絶対に幸せになるとは限らない。でもこの仕事はとても意味のある仕事に思える。今日も彼は「生」と「死」の狭間に立ち会い、何を思ったのだろう。
ツナグでは死者と会うことができるけど、現実には会うことは不可能だ。そして、この物語のように人はいつ死ぬかわからない。突然、不運な事故で亡くなってしまうことがあるのだ。だから私は、今のうちから大切な人といっぱい会話したいと思った。
両親、親友、好きな人。私が大切にしている人達はまだ生きている。もし彼らが突然いなくなったとしても「ツナグに頼みたい」と思わなくてもいいように、普段から思いっきり会話して、想っている気持ち、感謝の気持ちを素直に伝えていきたい。
少しアラスジ部分が多いですね。最初と最後の感想部分をもっと広げると良い読書感想文になると思います。
*パクり、丸写し、無断転載、コピペはNGですよ。頑張って自分で考えましょう。
ツナグの読書感想文まとめ
いかがだったでしょうか?
ツナグは短編集なので読みやすいですよ。
また、特殊な設定の物語だからこそ「自分が死者と会えるなら誰と会うか、なんと伝えるか」を考えて書くと簡単ですよ♪
頑張ってくださいね。
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