この記事では「坊っちゃん(著者:夏目漱石)」で読書感想文を書く時のポイントを紹介しています。
また、一緒に「坊っちゃんの読書感想文例文(中学生・高校生向け)」も紹介していますので、参考にしてくださいね。
少し読みにくさもありますが、テーマ自体はハッキリしているので感想文にはオススメですよ。
坊っちゃんの登場人物
坊っちゃん:主人公。東京で暮らしていたが、父母が亡くなったのをきっかけに学校へ入学し、卒業後、四国の学校へ数学の教師として赴任する。江戸っ子で気が短く、愚直な性格をしており、曲がった事が嫌いである。
清:坊っちゃんが東京で暮らしていた時の女中。老婆であるが、坊っちゃんの事をとても可愛がっている。
山嵐(堀田先生):坊っちゃんの赴任先の教師。同じ数学を担当している。逞しい体つきをしており、毬栗坊主の頭をしている。
うらなり(加賀先生):英語の教師。蒼白い顔をしているが、体格はふっくらしている。気がおとなしい性格で、弱く見られる。
狸:坊っちゃんの赴任先の校長先生。あだ名が狸。
赤シャツ:坊っちゃんの赴任先の教頭先生。洋風を好む。策略家。
マドンナ:坊っちゃんの赴任先の地域一の美人。
坊っちゃんのあらすじ(簡単な話の内容)
東京で暮らしていた主人公、通称「坊っちゃん」は母と父を亡くし、兄と財産を分け別々に暮らす事となる。
まだ若く、受け取った遺産の使い道の分からないまま、今後の生活どうするか悩みながら過ごしていた坊っちゃんだが、ふと目にした物理学校に入学する事を決め、授業料として遺産を使い果たす。
なんとなく学校に通い卒業した坊っちゃんは、その学校の校長の縁で四国に学校の教師として赴任する事となる。
四国に赴任した坊っちゃんは、赴任先の学校の生徒から嫌がらせを受ける。
また、学校の教頭先生の策略にはまり、散々な目に会う。
東京で共に暮らしていた女中の清の優しさを思い出しながら、嫌な思いをかき消し教師として勤めるが、やがて有り余る生徒や教頭の嫌がらせや人格の悪さに辟易し、同じ気持ちを持った教師と共に反乱することとなる。
辛い日々を過ごしていた坊っちゃんの逆襲が始まる。
女中の清の人間性も一つのテーマ。清がどんな人物なのかも考えながら読むと良いですね。
本のテーマ(主題・キーワード)
・いじめ
・友情、友達
・理想の人間
・夏目漱石
読書感想文の書き方やコツ
明治時代に書かれた物語であり、現代に当てはめると情景や現存しない物質的な物の想像が難しくなると思います。新潮文庫では注解がありますので参考にしたり、分からない物や名詞はインターネット等で検索して調べると、著者の当時の時代の背景が浮かんで、より感想を書きやすくなると思います。
物語自体は単調で、理解しやすい内容となっています。
また、この物語は、主人公である坊っちゃんの一人称で書かれていますので、坊っちゃんになったつもり、又はなりきって感情移入しながら書いても面白いと思います。
坊っちゃんは気の短い人ではあるが、素直で曲がった事が嫌いな事。
赴任先の学校の生徒や教頭の精神的な幼さや行動について。
女中の清という女性が坊っちゃんの支えになっているということ。
最後は、坊っちゃんとしては学校をやめるという結末になってしまったが、勧善懲悪をおこない晴々とした気持ちになることなど素直な気持ちで書けばいいかと思います。
読書感想文例文(中学生向け2000文字以内)
題名(タイトル):正しい人間の在り方について考える
坊っちゃんは明治時代に書かれた物語なので、現在使われていない用語や表現がたくさんでてくるのでとても読みにくいと思いました。でも、その時代のことをよく調べて知ると情景が思い浮かんできて、現代でも色あせない物語だと思いす。例えば、坊っちゃんが天ぷら蕎麦を4杯も食べた姿を思い浮かべると、可笑しくなりました。いくら好きだからといって天ぷら蕎麦4杯は食べすぎです。
主人公は「坊っちゃん」と呼ばれていますが、実は24歳の青年で四国の学校へ教師として働き始めます。そこでは、色々な災難が待ち構えていました。生徒からからかわれてケガをしたり、素直な性格の坊っちゃんはすぐに教頭先生から騙されたり、と大変です。でも、真面目に働くことが大切だと思っているので、そんな嫌がらせを受けても、騙されてひどい目にあっても懸命に教師としての使命を果たしながら働きます。
また、短気な性格で曲がったことが大嫌いなので、生徒や教頭と向き合って間違っていることを正そうと奮闘しますが、弁舌な生徒たちや教頭に逆に言い負かされてしまいます。それに対して、坊っちゃん自身も自分には知恵がないと悔しがります。
私なら、転校した先でからかわれたり嫌がらせを受けたりしたら耐えられません。きっと学校に行くのが嫌になってしまうと思います。それでも、坊っちゃんはそんな嫌がらせに耐えながら過ごしていきます。あまり考えず、気にしない性格なので耐えられたのかも知れませんが、きっと坊っちゃんは心が強かったからなんだと思います。
もう一つ、辛い人間関係の中で過ごすことができたのは、東京で暮らしていたときに共に生活をしていた女中の清を思い出していたからだと思います。清は老婆ですが、坊っちゃんをとても可愛がっていてお小遣いをくれたり、とても褒めてくれたりします。坊っちゃんは嫌がらせをしてくる生徒や教頭と清を比較して正しい人のあり方は清の方だと言います。
生徒や教頭は知恵や教養があって弁舌も達者ですが、ロクな人間じゃない。清は、教養はないが人に接する態度が正しい。と言うような場面があります。この場面には同感しました。
私が、人間味のある人と思うのは人の痛みを知ったり、人を見下したりしない人だと思います。坊っちゃんは江戸っ子で言葉遣いも荒く、短気な性格なのでその行動を見ているこちらがドキドキしますが、人間味のある真面目な人だと思います。
物語の中で、坊っちゃんは清からの手紙を受け取ります。そこには相変わらず坊っちゃんを心配する内容が書かれています。坊っちゃんは、清の言葉を支えにして四国での生活を続けていたのだと思います。
やがて、教頭先生の策略がますますひどくなっていきます。坊っちゃんが住んでいる地域で一番と噂のある美人の女性が、坊っちゃんのいる学校で同じ教師として働いている古賀先生の婚約者だったのですが、古賀先生の家の生活状況が苦しくなって婚約は取り消されました。
そこで教頭先生はその女性と付き合おうとします。その女性と古賀先生の婚約の話を知っている人たちが、女性と教頭が付き合っていると噂になると良い評判にはなりません。そこで、古賀先生は教頭の策略で九州にある学校へ転勤させられます。
また、堀田先生の正義感が気に入らない教頭先生は自分の弟を先導して、自身の学校の生徒と他校の生徒の喧嘩に巻き込まれるように仕向けます。その結果、堀田先生は教職を辞めさせられます。
坊っちゃんは自分に対する嫌がらせなら我慢できますが、同じ職場で共に働く教師が教頭先生だけの都合で被害を受けるのは我慢できない性格です。
そこで、坊っちゃんは学校を辞めると覚悟して、堀田先生とともに教頭先生を懲らしめようと計画します。坊っちゃんの逆襲が始まります。
結果がどうなったかはここでは書きませんが、坊っちゃんを読んでいると人間関係については今も昔も変わらずに大変だということを思い知らされます。そんな中で自分はどんな判断をするのか。自分だけの利益を優先して人を騙すのか、人間とは愛や優しさに溢れた人間でなければならないのかと問いかけられているように感じました。テーマは「正しい人間の在り方」だと思います。
結局、坊っちゃんの本名は物語の中では語られません。表題が「坊っちゃん」なのは女中の清が呼んでいた呼び名だと思います。物語の最後も清のことで締めくくられています。私は、この清こそが坊っちゃんが理想としている人間像なのだと坊っちゃんが気付くために、その対比として四国の学校への赴任が運命付けられていたのではないかと思います。
この物語を読んで、私も正しい人間の在り方を日々考えながら過ごしていきたいと思いました。
ちょ~っとあらすじ部分が多い読書感想文ですね。もう少し「自分の体験」を入れると良くなると思います。
*コピペ、無断転載、パクリ、丸写しはダメですよ。感想文は自分で書きましょう!
坊っちゃんの読書感想文まとめ
いかがだったでしょうか?
夏目漱石の坊っちゃんは少し読みにくい部分もありますが、「友達、いじめ、理想の自分のありかた」といったテーマですので、感想文自体は簡単です。
もし書きにくいのでしたら「いじめについて」や「自分はこんな人間になりたい」といったテーマで書くと書きやすいと思いますよ。
頑張ってくださいね。
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