だんだんと長い物語も読めるようになってくる小学校中学年(3年生、4年生)。
読書感想文も、どういった内容にしようか悩んでいる子も多いと思います。
保護者としては、手伝ってあげたいと思う反面、子どもの自立心を育てたいから過干渉は良くない?と思うこともあるでしょう。
そこで、親子そろって楽しく読書感想文を書いていくための方法や、子どもの自立心を育てつつ書き上げるためのコツについてご紹介していきます。
中学年はだいぶ本は読めるようになったけど、感想文となると難しい年齢ですよね。子供の読書感想文で悩んでいるママやパパはぜひ参考にしてくださいね。
小学校中学年の読書感想文~本の選び方~
興味のあるタイトルから選ぶ
普段から本をたくさん読んでいて活字なれしている子どもであれば、過去に読んだ中からお気に入りの物を選んで感想文を書き進めていくということがしやすいはず。
ですが、普段全く本を読まないとか、塾や習い事で忙しくて読書の時間が持てていないという子にとっては本を選ぶ段階で時間がかかってしまうこともあるでしょう。
そんなときに取り入れてほしいのが、「本のタイトルから感想文を書くものを選んでいく」という方法です。
タイトルに興味を持てれば、本自体も飽きずに読み進めていけることが多いので読書嫌いなお子さんには特におすすめですよ。
上の兄弟がいる場合はアドバイスをもらう
お子さんにお兄さんやお姉さんがいる場合は、その子が過去に読んでみた本を下の子にも読ませてみるというのも良い方法です。
兄弟、姉妹で本を共通して読みあうことで、新たな感想が生まれ深みのある感想文が書き上げられるようになります。
また、親や先生から「この本は面白かったからぜひ読んでみて。」と言われるよりも、年齢の近い兄弟姉妹からおすすめされた本の方が読んでみたいという気になりやすいもの。
上の子に協力してもらう必要がありますが、この機会にぜひ家族みんなで同じ本を読んでみるのも面白いですよ。
本が苦手な子供の場合
また、本が苦手な子供の場合「対象年齢が1~2歳下の本」を読むのもオススメ。
自分の能力以上の本を読んだとしても、読むのに時間がかかるし、「ただ読んだだけ」で話の内容まで頭に入ってこないものです。
それよりも少しランクを落としても「今の自分に合った本」を選ぶことで、本も読みやすくなりますし、「自分らしい感想文」を書くことができますよ。
タイトルの決め方
難しい場合はシンプルに
中学年になると、少し厚めの本を読んで感想文を書こうとする子もいます。
そのため、本文はたくさん書けるのにタイトルがなかなか決められないということも起こり得るのです。
そういった場合は、タイトルにこだわりすぎずシンプルにとどめておくようにしましょう。
例えば
- 「〇〇を読んで私が思ったこと」
- 「私に気付かせてくれた本、〇〇」
- 「〇〇を読み終わって感じたこと」
など、本の題名を引用しつつ、そこから自分がどういったことをこれから書いていくかが分かるタイトルなどがおすすめです。
主人公の名前を出すと読み手を引き付ける
本の題名をタイトルにつけるのはありがちだからやりたくないという場合は、主人公の名前をタイトルに出してみてはいかがでしょうか。
例えば、「西の魔女が死んだ」という本を読んで感想文を書く場合、「西の魔女が死んだを読んで感じたこと」とするよりは、
と、主人公の名前を出した方がインパクトがありますよね。
主人公にとても共感が持てて、自分だったらどうするかについて深く考えることができたという場合も、このようにタイトルに名前を出してみると全体がまとまった印象になりますよ。
書き出し方
本を読むに至った経緯について書く
読書感想文は、何も本の中身についてだけ書かなくてはいけないというものではありません。
その本を読むまでにどういったことがあったか、なぜこの本を手にとったのか、そういったことも含めて感想文としていけばよいのです。
たとえば、「ハッピーバースデー」という本で感想文を書く場合、
など、自分の生活と結びつけながら始めるとその先もスムーズに進めていくことができます。
最も強く感じたことを最初に書く
本を一冊読み終えると、最も強く感じたことというものがあるはずです。
それは面白さであったり、悲しさであったり、怒りであったりとさまざまなものであるでしょう。
そこで、その感情を忘れないうちにメモにとっておくようにしてください。
感想文を書く際には、この最も強く感じたことから最初に書き出していくと印象深いものになります。
- 「こんなに怒りを感じたことは初めてかもしれません。」
- 「本を読みながら声を上げて笑ったことはあまりなかったのですが…」
など、読み終わった後の自分の様子から書き出していくと面白みのあるものに仕上がります。
本文の書き方
親子で感想を話し合ってみる
そろそろ一人で書き上げられそうな小学校中学年ですが、どうしても途中で手が止まってしまうこともあるものです。
そんなときは親子で感想を話し合ってみるようにしましょう。
これは、学校の授業のように堅苦しく話し合う必要はありません。
「主人公の○○はこういう行動をとったけど、僕だったらこうする。」
「お母さんだったら、○○にこういうことを声掛けする。」
など、自分だったらどうするか、どう主人公に声を掛けてあげるかなどを自由に話し合ってみてください。
一人だけで考え込んでいると、なかなかアイデアが出てきませんが誰かと話すことで自分の考えが明確になっていきますよ。
また、主人公が自分と同い年くらいの設定の場合、親の立場からどう考えて物語を読んだかを話してみるのも子どもにとっては新鮮なものです。
いろいろな立場の人の気持ちを考えながら感想文を書いていくことで、他とは違った面白みのあるものができあがります。
子どもの考えを否定しないように
親子で感想を出し合っているときに注意してほしいのが、子どもの考えを否定しないということです。
親としては、物語の方向性や作者の意図が分かっていて子どもを正解の方へ導きたいという気持ちが働いてしまうこともあるでしょう。
ですが、感想文において正解不正解は存在しません。
自身の感じたことを思いのままに書いてよいのが読書感想文なのです。
ただ、文章の構成には注意して書いていくことが求められているため、助言をする際は文章全体の組み立て方に関して行うようにしましょう。
子どもが本を読んで感じたことに対し「そんな風な物語じゃなかったでしょ。」とか「そういう考え方はよくないよ。」など、否定をしてしまうと子どもはその先自由に意見を言いにくくなってしまいます。
「そういう考え方もあるんだね。」
「その感想はとっても面白いね。」
「どうしてそう思ったの?」
など、子どもの自尊心を高めその先まで深く考えていけるように導いていきましょう。
まとめ方
自分の中の変化に関して書く
本を読む前と後では、自分の中で考え方が変わったという部分があるはずです。
また、そこまで大きく考えが変わらなくても、知らない世界を知れた、人の気持ちを考えられるようになったというところがあるはず。
どんな些細なことでもいいから、本を読んだ後に起こった自分の中の変化に関して注目し、その部分を活かしてまとめていくようにしましょう。
ポイントは、実生活と結びつけながら書いていくということです。
- 「この本を読んだことで草花にも興味を持つようになり、散歩中立ち止まることが多くなった。」
- 「離れて暮らすおじいちゃんおばあちゃんのことを、今まで以上に大切に思うようになった。」
など、自分の生活に本がどう影響したのか、その影響を受けてこれからどう生きていくのかについて触れながら書くとまとめの文章として印象深いものになります。
テンプレートに当てはめると楽
「どうしても感想文を書くのが難しい」と感じる場合、「テンプレートに当てはめて書く」というのも手です。
テンプレートでしたら「こんなことを書く」と決まっているので、「何をかけばいいんだろう?どうすればいいんだろう?」と迷うことなく読書感想文を書き出すことができますよ。
早い子供なら1日もかからず読書感想文を書いてしまえると思います。
詳しくは以下の記事をお読みください。
原稿用紙の決まりやルールは?
小学校3~4年生になると、低学年よりも「感想文の枚数」が増えます。
学校にもよりますが、基本的には「原稿用紙3枚、1200文字以内」になりますよ。
また、原稿用紙に書く時は
- タイトルは2~3マス下げる
- 名前は下を1マス開けて書く
- 段落の最初は1マス下げる
等の「細かなルール」がありますので、先に一度内容を確認しておきましょう。
小学校3年生、4年生の読書感想文の書き方まとめ
小学校中学年の読書感想文の書き方についてご紹介しました。
中学年は、だんだんと読める本の数も増え、それに伴い感じることも豊かになってきます。
子どもの感じたことや興味を持ったことがさらに深められるように、親は適切な声掛けをしながら読書感想文を仕上げていけるように協力していきましょう。
コメント